憲法を生かす会関東

  第1号    2005年5月16日  憲法を生かす会関東連絡会

憲法記念日には各地で「生かす会」が活動しました。
各地の5月3日の活動を特集しました。


参加者で溢れた中央集会

 中央集会には東京・群馬・埼玉が参加しました。



 日比谷公会堂は参加者で溢れ、野外に設けられたオーロラビジョン前(第二会場)も含めあふれるばかりの人が参加。
「各界からの発言」として「教育基本法の改悪をとめよう」「ビラ入れと言論の自由」「信教の自由」「原子力空母の横須賀母港化問題」のテーマで4名の方が憲法改悪反対をアピール。
 小林カツ代さん(料理研究家)の呼びかけで作られた神楽坂女性合唱団有志による美しいコーラスのあと、姜尚中さんのピンチヒッターの小林武さん(愛知大学教授)と山崎朋子さん(作家)がメインスピーチ。衆院調査会報告の批判点やアジア女性交流史・戦争の悲惨な体験などから「憲法成立の意義」「9条を守る大切さ」が力強く語られました。
「九条の会」呼びかけ人の三木睦子さんも挨拶。
共産・社民の委員長、党首もそれぞれ「護憲の力をさらに結集し、改憲を阻止していこう」と訴えました。
「9条を守る大きなうねりを!とめよう憲法改悪」を誓い合った集会アッピールを採択し、右翼の妨害がありましたが、銀座デモを敢行しました。憲法を生かす会、平和憲法21世紀の会など8団体の呼びかけによる5回目の5・3集会憲法集会でしたが、構成団体の誠実な努カと協カ体制の前進を確認しながら、若者をはじめさらに広範な人々の結集をどう作り出すか、検討すべき課題になってきています。



はじめての街頭宣伝  山梨

 山梨の憲法を生かす会は、2月26日、多くの県民の期待と注目の中で結成されましたむ結成後、はじめて迎える5・3憲法記念日の活動について、運営委員会で協議の結果「街頭宣伝」「署名活動」を行うことになりました。
 県内における多くの護憲団体は、主に室内の講演会でした。山梨9条の会などを中心とする「山梨憲法実行委員会」等は上田耕一郎氏の講演、社民党を中心とする「山梨護憲の集い実行委員会」は阿部智子衆議院議員の社会保障制度と憲法問題」についての講演会でした。
 憲法を生かす会山梨としては、「11・3」に向けて県内の全ての護憲団体との共同行動をめざすこととし5・3は街頭行動に集中しました。
 甲府駅前の外、3ヶ所のスーパー前で、宣伝カーからの訴えチラシ配布、「憲法改悪のための国民投票法反対の署名活動を行い、一定の成果を上げることが出来たと自賛しています。
 特に代表の一人である元社会党衆議院議員田中克彦さんの訴えは道行く人々に感銘を与えるものとなり、宣伝行動に参加した会員も自信を持たせるものとなりました。
憲法を生かす会山梨としては、今後街頭宣伝活動を継続しつつ、多くの県民に「憲法の危機」を訴えて行く事としています。



2005年
憲法を考える県民集会に500名    神奈川


 5月3日横浜市開港記念会館でかながわ平和憲法を守る会が加盟している「かながわ憲法フォーラム」主催の10周年記念の憲法集会が開催されました。
 今回は平和運動センターと共催という事で会場一杯の500名の参加があった。
集会は、第一部で、23才で戦死した詩人竹内浩三の詩「骨のうたう」が歌われた。
 第2部の講演とシンポジウムは、まず、憲法フォーラム事務局長から「アメリカによるイラク攻撃の不当性、横須賀への原子力空母の母港化への動き、白民党の憲法案は国民の権利を規制する狭隘な国家主義に満ち溢れたもので容認出来ない」と報告、別会場で憲法集会を行っている「憲法改悪阻止県連絡会議」から連帯のメヅセージが寄せられ、お互いにメッセージ交換をしたことが披露された。
 講演では講師の大津浩さん(東海大学法科大学院教授)から「地域で生かす憲法〜改憲の動きの中で〜」というテーマで「姉妹都市間での平和外交等自治体レベルの取り組みがある。また、4月に藤沢市議会で否決された「藤沢平和無防備地域条例」を取り上げ、「地方自治体が自分達の街を安全にしよう、危険な施設を作らせない」とするのは当然で、国が外交や安保の観点から自治体独自の街造りを否定する事は、憲法で定められた幸福追求権の侵害となると話した。
 シンポジウムでは県高校教育会館教育研究所の中野渡強志さんから「教育基本法の改悪の動きの中で目の丸・君が代の強制」の問題、非核市民宣言運動の新倉裕史さんから「米軍の施設使用も自治体の許可が必要で、自治体には平和カがある」ことが訴えられた。上智大学教授の石川さんは「大磯町で実践して来た経験から、改憲への大きな流れに歯止めをかける為には、首長が見える身近な自治体に対する取組みが必要」と強調した。
コーディネーターの元神奈川新聞論説委員の渡部充さんから地域で憲法を実現していく事が重要であることが強調された。
 まとめで、各地域で「憲法九条の会を創り、戦争を出来る国にする動きを食い止めよう」と訴えでシンポジウムは終わった。
最後に「『国家』より『個人』を尊重する日本国憲法の理念を、生活の場に定着させる一人ひとりの取り組みが、さらに市民の連帯による取り組みが、人権を確立し平和な時代を築いていくことにつながるに違いありません」としたアピールを採択して散会した。
「かながわ平和憲法を守る会」は原子力空母の母港化反対の署名運動を取組んでいます。

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カナリア諸島にある
       「憲法9条の碑」
 関東生かす会連絡結成総会で「大西洋の小島、カナリア諸島にヒロシマ・ナガサキ広場があり、憲法9条の碑がある」とのお話がありました。
 インターネットで探してみました。



実行委員会で広がった運動  千葉

 千葉では「憲法を活かす会・県協議会」が中心にとなり民主団体・労組などに集会を呼びかけ26団体が参加、実行委員会主催で集会を開きました。
 会場は右翼の妨害も予想し付近の道路を機動隊が封鎖するという物々しい雰囲気でしたが、250名が参加、用意した資料が足らなくなるほどの盛会でした。
 集会は「原爆許すな」などの歌声ではじまりました。
 シンポジウムでは@学校は今どうなっているかを高校教員A生活(25条)は市議会議員、B平和(9条)は弁護士よりの3テーマで問題提起、会場より10名が発言しました。
 その後、小泉首相への抗議文、堂本知事への「憲法を県政に活かせ」との要請文を採択しし繁華街を2Kほどデモ行進をおこないました。
会場では署名コーナーを設け国民投票法反対(活かす会)、原爆廃絶(被爆者友愛会)、鉄建公団訴訟(闘争団)、郵政民営化反対(郵政ユニオン)に多くの署名があつまりました。
 この集会はマスコミでもとりあげられ千葉TVでも放映、千葉日報、朝日、毎日が掲載されました。また同時刻に集会を行っている憲法会議とメッセージを交換し互いに共同行動をめざすことを確認しあいました。



市民を戦争に駆り出す
 日米マスメディアを斬る    栃木


 5月3日「憲法を生かす会・栃木」は、宇都宮市内で「私たちの知る権利は守られているか〜そして、報道の自由は…」をテーマに講演会を開催した。
 講師は、同志社大学教授で元共同通信ジャカノレタ支局長の浅野健一さん、そしてミネソタ州立大学教授でジャズトランペッターでもあるマイケノレ・ミシュラスさんのお2人。
 浅野さんは、現在の日本のメディアが、この国の今後の生き方をも占う「イラクで自衛隊が何をしているのか」を報道せず、些末なワイドショーを繰り返す様を嘆きながら、「自衛隊はイラクで給水活動もせず、今はかくれんぼしているだけ」と真実を披露。日本のメディアの翼賛ぶりを鋭く批判し、かつての安保闘争が現在消えてしまっているのは、あの運動が本物ではなく、「自立した市民」によって担われてこなかつたからだと指摘。多岐にわたる深い内容の講演に皆、固唾を飲んで聞き入った。
 また、ミシュラスさんは米メディアの問題点を指摘。大統領選や、イラク戦争を引き合いに出しながら、メディアが権力者の持ち物になってることに警鐘を鳴らした。
 集会の最後には、国民投票法案(自公合意案)にあるメデイア規制を批判しながら、同法への反対の意志と、今後の闘いへの思いを込めた集会アピーノレを採択して終了した。



非暴力の実践を 茨城
     −水戸で憲法集会−


 憲法を生かす会・茨城は、平和憲法を守り暮らしに生かす運動を広げようと、5月3日の憲法記念日に「5・3憲法集会」を水戸市民会館で開催した。
 『非暴力で世界に関わるための方法』というテーマで講演した茨城大学助教授の伊藤哲司さん(社会心理学者)は、スマトラ沖地震・大津波の髭響調査の報告と合せて講演し、小中学生用の文科省道徳補助教材「心のノート」について、『批判精神の育成という視点が欠如しており「癒し系ナショナリズム」の登場とも言える。「疑ってはいけない大いなるもの(=自然や国家)に畏敬の念を持て」という暗黙のメッセージがある。また「大多数の非才・無才はただ実直な精神を養うべし」という国家の意図がうかがえる。「ソフトな社会管理」に心理学者が専門家として加担している。』と批判した。
 さらに非暴力の実践について、子どもに手をあげない子育てなど身近な例を挙げながら、『暴力の使用を止めるには、そのための手段を放棄することが大事。憲法の問題も、現実に憲法を合せるのではなく、憲法の謳う理想に現実を近づける努力がもっと必要』と訴えた。
 また、小泉首相靖国参拝違憲訴訟の四国訴訟団の原告でもある茨城大学名誉教授の大江志乃夫さん(歴史学者)は、『憲法9条改正の意味するもの』というテーマで講演し、小泉首相の靖国参拝と日本のイラク参戦について、世界の軍事史的事例を列挙しながらそのでたらめさを厳しく指摘するとともに、『憲法9条が、なし崩し的に踏みにじられている』と警告した。
 集まった約150名の参加者はメモを取りながら、熱心に聞き入り、また活発な質疑を展開した。



憲法を生かす会関東連絡会連絡先
東京:中央区日本橋3−5−12吉野ビル5階 Tel 03−5269−4847
千葉:千葉市中央区新千葉2−1−1−401 Tel 043−244−3860
茨城:水戸市桜川1−5−3岩上ビル2階   Tel 029−233−1110



国民投票法のパンフ

「改憲国民投票法」なんていらない
(徹底解明)「改憲手続法案」の問題点と批判

 憲法を生かす会東京発行 200円



編集後記
 
関東各県の生かす会の連絡会が3月26日、結成されました。この交流のため「連絡会ニュース」を交代で発行します。今回(第一号)は千葉が担当しました。

 皆さんの御意見をお寄せください