憲法を生かす会関東
憲法を生かす会関東連絡会ニュース
第7号    2013年12月18日  

          「秘密保護法」廃止へ!闘いつづけよう


秘密保護法強行採決は安倍政権の終わりの始まりだ!


「秘密保護法」を廃案へ!実行委員会 海渡雄一
1.参議院で法案採決される
 参議院本会議で、法案が可決されました。採決結果は、投票総数212、賛成130、反対82でした。賛成したのは自民党と公明党。反対したのは、民主、共産、社民、生活、糸数議員、【11本議員などでした。みんなの党は欠席しましたが、一部議員は出席して反対しました(川田さんと寺田さんと葉山さん)。維新の会は欠席しました。

 市民の8割が慎重審議を望んでいる中で、日比谷野音に1万5千人が集まり、全国で抗議集会が続き、数万人の市民が国会を取り巻き、秘密保護法絶対廃案を叫び続ける中での、可決です。

 「特別秘密の保護に関する法律案【逐条解説】」
という文書が12月5日午前11時45分に福島みずほ議員の強い要求によって、ようやく開示されました。これは、法案の策定段階おそらく公明党との修正協議の前の段階の法案について内閣官房が作成したものと考えられ、合計92頁に及ぶ大部なものです。法案の逐条解説を公開して審議していれば、法案の問題点はもっと深く審議でき、浮かびとがったはずです。作成名義は、内閣官房の作成とされています。
 さらに、内閣と各省けの間で、この法案の策定の段階で、多くの意見交換か行われていたことが昨晩わかりました。今のところ人事院と文書のやりとりだけが、公表されています。他の省庁は、各官庁の了解が取れないという理由で、今も不開示となっています。
 このような重要な文書をこれまで秘密にしていたことは、国会軽視として決して許されることではありません。すくなくとも、このような重要文書について、きちんと国会での審議の時間を確保するべきことは民主主義政治の元での国会運営として、当然のことでした。
 委員会採決は、最後は、全く言葉も聞き取れない、議事録もないような状態での採決であり、手続的にも違法無効です。
2.根本的欠陥法案である
 この法案には根本的な欠陥があります。何が秘密に指定されるかが限定されず、政府の違法行為を秘密に指定してはならない、ことも明記きれていません。
 公務員だけでなく、ジャーナリスト・市民も独立教唆・共謀の段階から処罰されます。政府の違法行為を暴いた内部告発者やジャーナリスト、市民活動家を守る仕組みが含まれていません。権威ある国際原則であるツワネ原則にことごとく反しているばかりでなく、ふたりの国連特別報告者とビレー人権高等弁務官からも重大な懸念が表明されています。
 私たちはこの秘密保護法案の内容も手続も絶対に認めることはできません。
3.法律廃止の活動を始めよう
 これからの闘いの方向性について、提起したいと思います。今晩の闘いの力で、これからの政府の暴走を止めましょう。
 成立した法案は同じ手続き廃止することができます。私たちは、明日から、この法律の廃止を求める活動を直ちに始めようではありませんか。次の国会には、採決に賛成しなかった多くの政党と共同して、秘書法の廃止法案を提案するための活勒を始めましょう。
4.弾圧に備えよう
 もうひとつ、大切なことを提起します。
 この法律は、憲法21条、自由権規約19条で保障された表現の自由を侵害する違憲立法です。この法律が自由権規約19条に違反することは、国連の見解なのです。我々には国際社会が味方してくれています。裁判官も私たちの反対運動を見ていることでしょう。そして、心の内では応援してくれている裁判官も少なくないはずです。
秘密法違反の被告人は違憲な法律によって起訴されたのですから、絶対無罪としなければなりません。これは、弁護士の仕事ですが、政府があくまで、この法案を施行しようとするなら、第一号の秘密法違反事件の被告人を弁護するために、1000人の弁護士を組織し,あらかじめ大弁護団を結成しておきたいと思います。

5.新しい闘いのはじまり
 法案の成立は、私たちの一つの敗北であることは確かです。しかし、今日一日の私たちの行動は、政府、国会に私たちの秘密法廃案、安倍政権NOの怒りをぶつけ、一人一人の市民に秘密法反対の意思を確認する機会となったことと思います。
 まず、私たちは、これだけの多数の市民の反対を押し切って秘密法を成立させた政府与党の暴挙を心にしっかりと刻みつけなければなりません。マクベスのバーナムの森は動いたのです。これから、政権崩壊の日が近いことにおびえなければならないのは、勝ち誇ったような顔をしている安倍首相とその取り巻きたちです。
 私たちは、この法事が廃止されるまで、決してあきらめません。明日から、秘密法のある社会を拒否し、その実質化を食い止めるため、新たな闘いを始めましょう。(2013年12月6日)
  秘密保護法」を廃案へ!実行委員会は、12月12日の会合で、「秘密保護法」廃止へ!実行委員会と名称を変更し、「秘密保護法」の廃止を求める全国署名に取り組むこと、来年(2014年)1月の通常国会開会日(1月下旬)の昼間と夜に「秘密保護法」の廃止を求める国会包囲行動を行うことなどを確認した。/「秘密保護法」廃止へ!実行委員会呼びかけ・5団体:新聞労連、平和フォーラム、5・3憲法集会実行委員会、秘密法に反対する学者・研究者連絡会、秘密法反対ネット/実行委員会HP http://himituho.com/

集団的自衛権の行使・海外での武力行使を許さない

     「戦争する国」= 「阿部首相の暴走」を止めよう
 2013年11・3憲法集会(全水道会館、市民220人が参加)で半田滋さん(「東京新聞」編集委員兼論説委員)が「集団的自衛権のトリックと安倍改憲」と題して講演した。その要旨を報告する。「特定秘密保護法」に関する貴重な話もされたが、その部分は紙幅の都合で割愛した。なあ、本稿の文責は見出しを含めて事務局(担当者)にある。
安倍政権の狙い−集団的自衛権の行使へ
 安部首相の最終の狙いが憲法改定にあることは明らかです。7月参院選のあと安倍首相は山口県に里帰りして「憲法改正は私の歴史的使命だ」と高らかに宣言しています。
 安倍さんは、最初に首相になったとき、教育基本法を改悪し、防衛庁を防衛省へ昇格させ、憲法改定手続きを定めた国民投票法を作りました。安倍さんが第1次内閣でやろうとしたことは、将来の憲法改定に道筋をつけることでした。しかし、国民投票法案の強行採決によって国会運営に行き詰まって政権を投げ出しました。後になって病気だったと言い出しますが、政権運営できる状況ではなくなっていたのだと思います。だとすれば、再登板した今回、安倍さんが死に物狂いでやろうとするのは確実です。
 やろうとすることは何か。昨(2012)年12月総選挙で、自民党、みんなの党、日本維新の会の3党で、憲法96粂に定められた改憲発議に必要な3分の2の議席を取りました。今(2013)年7月の参議院選挙では、自民党が大勝したものの日本維新の会が総選挙に比して大きく票を減らし、この改憲政党3党では3分の2の議席数には達しませんでした。安倍さんは選挙翌日の記者会見で「憲法改正は急がない。ただし集団的自衛権の行使については引き続き検討する」とはっきり述べています。
 集団的自衛権とは、自国が攻撃を受けていないにもかかわらず密接な関係にある国が受けた攻撃を自国への攻撃と見なして武力行使をすることです。いわば”売られてもいないケンカを買って出る”ということですが、集団的自衛権の行使は、憲法上認められていません。それをガラリと変えようというのがズバリ安倍さんの狙いです。
 いま安倍政権は60%という驚異的な支持率です。だから安倍さんは、いまの「強い」ときに思い通りにやろうとしています。

 内閣法制局長官のすけ替え
 安倍首相は、8月に憲法解釈の番人といわれる内閣法制局の長官を替えました。
 内閣法制局は、内閣が法案を国会に提出する前に、その法案が憲法に反していないか、過去の法律と矛盾しないか等を審査する役所です。内閣法制局の審査をパスしたものしか内閣法案としては出せません。この内閣法制局の長官は、憲法解釈の責任を持つ第一部長を経験して、その後次長を経てやっと長官になれます。20年以上内閣法制局で憲法の勉強をしてから長官になります。8月に新長官に就任した小松一郎さん(フランス大使)は、ただの1日も内閣法制局に勤めたことはありません。どうしてそんな人選がされたのか。小松さんは、第1次安倍内閣のときに集団的自衛権の行使は認めるべきだと進言しているからです。自分に都合のいい人選で勝手に首をすげ替えたわけです。最近NHKの経営委員にも4人のオトモダチを送り込んだようです。安倍首相の習い性です。

 北岡伸一が仕切る「安保法制懇」
 集団的自衛権の行使については、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)で議論されています。
 首相の諮問機関である安保法制懇は、第1次安倍内閣で作られ、座長は柳井俊一元アメリカ大使、座長代理が北岡伸一国際大学学長です。安倍首相から集団的自衛権の行使にかかわる4つの類型について諮問がされました。1つは、公海での米艦艇の防護。併走するアメリカの艦艇が攻撃を受けたときに自衛隊は守らなくていいのか。2つは、米国を狙った弾道ミサイルの迎撃。アメリカ本土に弾道ミサイルが飛んでいくときに、自衛隊が迎撃しなくていいのか。3つが、PKOなどで他国部隊を守るための「駆け付け警護」。4つが、PKOや戦闘地域での多国籍部隊への輸送、補給などの後方支援、です。
 上記の3と4は、集団的自衛権にかかわることではないものですが、海外での武力行使に関係するものです。これら4類型はいずれも現憲法では禁止されていますが、安保法制懇は、「解釈変更によって容認すべき」と報告しました。
 報告書は、安倍首相の退陣後に福田康夫首相に提出されましたが、福田首相によって棚上げにされました。じつは日本版NSCについても第1次安倍政権のときにすでに法案として提出されていましたが、福田内閣で廃案になっています。

 「積極的平和主義」の提唱
 この安保法制懇が安倍首相によって今(2013)年2月、全員同じメンバーで再度集められました。2回目の会合は9月、3回目会合が10月16日に開かれています。マスコミの多くが「集団的自衛権を検討する」という形容詞をつけて安保法制懇について報じますが、この形容には注意が必要です。10月16日記者会見で、北岡座長代理が「憲法解釈を変えなくてはいけないのは、集団的自衛権と集団的安全保障のことである」と言いました。「集団的安全保障のこと」とはなんのこと…?
 安倍首相が9月26日国連総会で「積極的平和主義の立場から、PKOはじめ、国連の集団的安全保障措置に、より積極的に参加できるように図ってまいります」と演説しています。積極的平和主義という言葉を使い、その中身としてPKOや国連の安全保障措置への参加と説明しています。「国連の安全保障措置」がポイント
です。
 たとえば国連加盟国(193カ国)の中で侵略が行われる。国連は侵略戦争を明確に禁止していますから、その侵略戦争にどう対処するか、国連安全保障理事会で義諭します。議論の結果として侵略戦争をやめろという勧告が出ます。それでもやめない場合には武力制裁をすることがあります。
 北朝鮮の核開発に対していま国連は安全保障措置をとっています。加盟国に対して北朝鮮への武器や贅沢品の輸出を禁止しています。これは、いわゆる経済制裁です。
 実際に武力制裁が決議され、実施されたことがあります。1990年イラクがクェートに侵攻したときです。イラクが撤収しなかったので武力攻撃が発動され、湾岸戦争が起きました。湾岸戦争では加盟国30カ国で多国籍軍が作られ、武力制裁が実施されました。ボスニア・ヘルツェゴビナ問題でのコソボの空爆も武力制裁です。多国籍軍が空爆を行っています。
 つまり、「国連の安全保障措置に積極的に参加する」ということは、「我が国は海外の武力行使に参加します」と言っているのです。これは大変なことです。

 海外での武力行使の解禁
 いままで集団的自衛権の行使が必要な理由としては、アメリカが攻撃を受けているときに守れなくてどうする、ということでした。しかしよく考えたら、アメリカに戦争を仕掛ける国が果たしてあるのか。アメリカが建国以来、武力攻撃をうけたのは日本しかありません。だから集団的自衛権の行使は、アメリカを対象とするのなら、たいした意味はないことだと思います しかし国連による武力行使であれば、もしかすると起こるかもしれません。シリア空爆にアメリカとフランスは前のめりでした。イギリスは議会が反対し、シリア攻撃はしないとキヤメロン首相が明言しました。アメリカは、オバマ大統領が、化学兵器を使用した以上シリアを攻撃しますと議会に問いかけた。議会の採決前にロシアの仲介で武力行使にはなりませんでした。国連安保理で議論をしたとしてもロシアと中国が反対しますから常任理事国5カ国の意見がそろわずに武力制裁にはならなかったと思います。
 もし国連で武力制裁決議がなったとすれば、湾岸戦争では130億ドルですみました(それだって大変なおカネです)が、こんどは自衛隊が海外へ出て行って、たとえばイラク人、シリア人と戦争するということが起こりえるのです。そういうことを考えないといけない。
 集団的自衛権の行使だけではなく、日本が国連の武力制裁に参加するという選択で海外における武力行使が可能となっていく。安保法制懇の北岡伸一座長代理が述べた「集団的安全保障のこと」そして安倍首相のいう「積極的平和主義」には、これまで禁止してきた海外での武力行使が、氷が融けるようにして姿を現してきました。

 国家安全保障戦略・日本版NSC、新防衛 計画大綱⇒「国家安全保障基本法」
 9月になって「安全保障と防衛力に関する懇談会」(安防懇)ができました。座長が北岡伸一で、安保法制懇とダブっているのは彼だけ。北岡伸一がいまの我が国安全保障の「黒幕」だと考えればいいと思います。
 安倍政権は、いま日本版NSCを作ろうとしていますが、日本版NSCの指針として「国家安全保障戦略」を考えるのが安防懇です。そして、その「戦略」には「積極的平和主義にもとづく」という形容詞がつきます。つまり前述したように、海外での武力行使を前提とした我が国の安全保障を考えるということです。
 12月には防衛計画の大綱が改定されます。この改定前に、より上位の概念を決めておかなければいけないので、おそらく「積極的平和主義」をやるという安防懇の報告書が出て、それから集団的自衛権行使と海外での武力行使ができますという安保法制懇の報告書が出てくることになります。
 そして、それらはいずれも閣議了承(決定)されます。しかし、首相が交代した場合には閣議了承が変更されるおそれもあるので、そうしないために新たな法律を作って確実に担保しておかなくてはならない。それが来年の通常国会に提出されるといわれている「国家安全保障基本法」です。

 国家安全保障基本法案
 すでに自民党は、昨(2012)年7月総務会で「国家安全保障基本法」を議員立法でつくること決定しています。当時は野党でしたから内閣立法でなく議員立法でやろうとしました。ここで特筆すべきは、自民党の「国家安全保障基本法案」は、現憲法にまったく合致していません。いま現在進行中のことや将来やろうとしていることが書いてあるロードマップのようなもの。そういう意味でも大変な代物です。
 その法案の第3条に「国及び地方公共団体の責務」があって、「我が国の平和と安全を確保する上で必要な秘密が適切に保護されるよう、法律上・制度上必要な措置を講ずる」とあります。いま臨時国会に出されている「特定秘密保護法」のことが言われています。
 第4章は「国民の責務」とされ、「国民は、国の安全保障施策に協力し、我が国の安全保障の確保に寄与し」と国防義務を国民に課すという仰天する内容です。これは昨(2012)年4月に発表した自民党改憲草案と同じです。
 現憲法は国民の権利や自由を守るために為政者を縛る、つまり立憲主義です。国会議員や首相、天皇あるいは国家公務員に対して制約を課しているのが現憲法です。自民党憲法草案は、これがまったく逆転していて為政者のために国民の権利や自由を縛るとなっています。そして天皇を元首とするなど国家主義的なことが盛りだくさん書かかれています。そして「国防軍」が出てきます。国防軍が作られた以上は、集団的自衛権の行使、海外における武力行使も当然に容認されるとなっているわけです。
 さらに、為政者に対して文句を言おうとした場合には、「公益や公の秩序」をもって知る権利や基本的人権が制約されると書いてある。先進国で類をみないひどい内容で、戦前にもどるための憲法だと思います。それと同じことが国家安全保障基本法案の「国民の責務」には出ています。
 法案の「自衛隊」(第8条)では「必要に応じ公共の秩序の維持にあたる」と書いてあります。自衛隊が日常的な治安維持的な活動をやるとしています。現行自衛隊法には治安維持出動の規定がありますが、最初から警察を飛び越えて自衛隊が出てきて市民運動などを取り締まるということなんです。
 第10条に「国連憲章に定められた自衛権の行使」とあります。我が国の憲法では個別的自衛権の行使しか認められないというのが解釈ですが、国連憲章は集団的自衛権を認めています。国連憲章に集団的自衛権が書いてあって憲法でそれを縛るのはおかしいとよく自民党議員などが言います。しかし、もともと集団的自衛権という発想自体が、国連ができる際(当時は東西冷戦時代)、ソ連を中心とする東側陣営とアメリカを中心とする西側陣営がお互いがお互いのメンバーを守りあうような立場が必要だったのです。そしてアメリカが集団的自衛権を考え出して国連憲章に入れ込んだわけです。だから、売られてもいないケンカに買って出るという非常に不自然な「権利」です。

 集団的自衛権の行使が「戦争の大義名分」
 第2次大戦後の大きな戦争はすべて集団的自衛権の行使が大義名分です。
 ベトナム戦争は、ベトナムの南の政府から要請があり、集団的自衛権の行使としてアメリカは参戦しました。ベトナム戦争では南・北ベトナムで90万人が死んでいます。米兵は4万5千人死んでいます。韓国は米韓軍事同盟をもとにアメリカを守るという立場で出兵しました。韓国人5千人が死んでいます。韓国はイラク戦争に軍隊を出しましたが、それまではベトナム戦争のトラウマで海外には軍を出しませんでした。第2次大戦後最大の戦争は、集団的自衛権の行使という大義名分で行われ、これほどの大戦争になってしまった。
 アフガン戦争の場合は、アメリカを攻撃したのはテロリスト集団アルカイダだ。アルカイダがどこにいるか探したらアフガニスタンのタリバン政権が支援していた。それでアメリカはアフガン戦争を始めた。これはアメリカの個別的自衛権の問題として、アメリカは国連安保理に個別的自衛権の発動として届け出しています。しかしこのアメリカの戦争に対して、NATO軍は集団的自衛権の行使をもって参戦しました。
 では、集団的自衛権をもって参戦していった国々が戦争に勝っているのですか?核保有国の、軍事大国のアメリカが北ベトナムという小さな国に勝てなかった。アフガニスタンでもそうです。結局来年にはオバマ大統領はイラクに続いてアフガンからも撤収することを決めています。とすると結局のところ、集団的自衛権の行使という非常に不自然な権利を認めていることが世界を不安定にしているではないでしょうか。
 また、アメリカは大量破壊兵器を隠し持っているというだけで戦争をしてしまう。イラク戦争はそれです。要するにやられる前にやれという先制的自衛権、そんな理屈があるのかと思いますが、これで戦争するのです。アメリカがなぜ今回シリア空爆をやろうとしたか。シリアの大量破壊兵器(使用)を認めれば、イランや北朝鮮も平気で使ってしまうのでないか、ひいてはアメリカが攻撃されるような不安定な状況になるという理屈です。しかし、アメリカはシリア空爆をできなかった。イラク戦争のような戦争をまたやろうとしたから内外からブレーキがかかった。世界の流れは戦争を回避する方向になっています。逆方向に行こうとしているには日本だけです。

 これまでの自衛隊の活動
 「いままでの自衛隊の活動」と「憲法解釈が変えられた後で行われる自衛隊の活動」を検討してみると次のように言えます。
 いまの憲法解釈の下でできることとしては、(1)洋上補給があります。アフガン戦争のときに海上自衛隊が米艦船に対して洋上で燃料を提供しました。テロ特措法を作って2001年から民主党政権ができた翌年の2010年1月まで長期にわたって行われました。この洋上補給は高く評価されたと国会でも説明されていましたが、それはそうです、タダで燃料をあげているんですから。タダでもらった米軍補給艦が他の国に有料であげている。(2)軍事費の拠出ができます。湾岸戦争のときに自衛隊を出す代わりに130億ドル出しました。国会で外務省が説明していますが、130億ドルのうち90億ドル(当時のレートで1兆円以上)がアメリカ政府に渡っています。よく「湾岸のトラウマ」と言われますがウソです。戦争後クェート政府が30カ国の名前をあげて感謝声明をアメリカの新聞に出したがその中に日本が入ってなかった。30カ国は軍隊を派遣した国だったから、カネを出すだけではダメ、人的貢献をしないとダメだ。これが湾岸のトラウマといわれるものですが、実際クェートには5億円しか渡っていません。これでは石油の出る「金満国」が感謝しないということもわかるような気がします。だとすると、湾岸のトラウマとは、ためにする議論、誰かが作ったウソです。これが翌年のPKO法につながり、自衛隊を海外に出す仕組みを作ったわけですから、そうしたいと思った人が考えたウソと考えるのが自然です。
 この湾岸のトラウマについて、安保法制懇座長の柳井俊一さんが「カネでは絵にならないが、自衛隊が出て行くと絵になるでしょ」と言っています。すごい人だと思います。
 コソボ空爆のときも2億ドル出しています。ですから、アメリカがシリア空爆をやったらカネを求められる可能性があったと思います。(3)それから陸自による人道復興支援です。アメリカがイラク戦争に踏み切った際に小泉純一郎政権が世界に先駆けてこのアメリカの戦争を支持しました。アフガン戦争とは違ってNATO軍は割れました。日本は武力行使ができませんからイラク特措法で陸自600名をイラク南部のサマワに派遣し、PKOで蓄積してきた人道支援をやった。その中身は、道路や橋など施設の復旧、河川の水をろ過した飲料水の提供、現地の医師や看護師に対する医療技術の指導、この3点で支援をやったわけです。
 いまの憲法解釈で、これまで(過去)にやってきて、できると政府が考えていることは以上の(1)〜(3)までです。
 それに加えて、もし集団的自衛権や海外での武力行使が容認された場合には自衛隊ができることは次のように広がるでしょう。

 国連の集団的安全保障措置等への参加
 国家安全保障基本法秦の第11条には「国連憲章に定められた安全保障措置等へ参加」とあります。「霞ヶ関文学」の世界では、この等の中に無限の宇宙空間があるのです。等さえあれば、国連が安保理でシリア空爆を認めなくてもアメリカがやると言ったことに賛成して日本は自衛隊を出していいという理屈になりかねません。
 集団的自衛権や海外での武力行使が容認された場合に可能となる自衛隊の活動は、次のようなことが考えられます。
(A) 護衛艦による洋上警戒。ただパトロールするだけではありません。たとえば、空爆で航空機から爆弾弾を落とすなどというのは第2次世界大戦までであり、GPSで誘導する爆弾、あるいは巡航ミサイルが発射されるのは航空機とは限りません。アメリカのイージス艦は巡航ミサイルを搭載し、海から地上を攻撃できます。そうすると、戦闘作戦行動にあるアメリカ艦艇を守るために日本は護衛艦を出してくれと言われ、守ることができるようになります。また不審船を発見したら、少なくとも見逃せば我が国の有事に発展する恐れがある周辺事態の認定がなければ、船舶検査法は使えず、ただ見ているだけになります。しかし集団的自衛権が解禁されれば、相手に対して武器を向け停止しなければ威嚇射撃をして、それでも停止しないなら最後は撃沈する武力行使ができる。それが護衛艦による洋上警戒ということです。
 (B)F2戦闘機による地上攻撃。専守防衛の国是から海外へ脅威を与えるような武器体系を持ってこなかったというのが日本政府の公式見解です。少なくとも3つの武器が持てないことが国会答弁で確立されています。1つは、ICBM(長距離弾道ミサイル)です。ICBMはふつう核弾頭を搭載していまが、核兵器が持てないのではなくICBMが持てないとなっています。じつは核兵器がもてるかどうかは議論が分かれています。ICBMはアメリカ、中国、ロシアなどが保有しています。もう1つは、攻撃型空母、もう1つは、長距離爆撃機です。以上の3つは持てないといわれています。
 では、なぜF2戦闘機はいいのか。じつは組み合わせすることによって可能になっています。F2戦闘機は、湾岸戦争で使用されたレベルと同じGPS誘導爆弾を持っています。F2戦闘機が配備されているのは青森県の三沢基地、福岡県の築城基地、そしてポンコツのF45(茨城県百里基地に配備)もGPS誘導爆弾を搭載できます。
 しかしF2戦闘機だけでは航続距離が足りません。かつて周辺国に脅威を与えるとして取り外してきた空中給油装置があります(F4戦闘機を買うときにはずして油漬けにしておいた。その後F15戦闘機以降からは取付けたまま買っている)が、それだけでは給油できないので空中給油機を買い、愛知県の小松基地においてあります。
 さらに、全国にレーダーサイトが28カ所ありますが、低空飛行で進入する領空侵犯機に対応する必要があるとして早期警戒機を買いましたが、それよりはるかにレベルの高い、レーダー監視できるだけでなく戦闘機を管制できるAWACSが浜松基地にあります。
 つまり、日本から爆弾を積んで飛び立ったF2戦闘機は、空中給油機によって給油を受けながら、コソボ上空でAWACSから情報をもらって地上攻撃ができる。いつの間にか日本は専守防衛と言いながら外国を進攻できるような能力を持つに至って.いるのです。いまは憲法で禁止しているからできないだけであり解禁さえすればできるようなるということです。
 (C)陸上自衛隊による巡回では、たとえば、シリアのアサド政権が倒れて反体制派との間に小競り合いが続いた場合に、自衛隊がアフガンに駐留している米軍やNATO軍と同じように治安維持のために武力行使をすることになります。場合によってはシリア人を殺したり、自衛隊員が殺されたりするかもしれません。
 いままでは憲法解釈上からして「できない」としてきたことが、「できるようになる」ということは、まさに「戦争ができる国」になることです。我が国は、侵略の意図は持っていないと思いますが、しかしながら外国で戦争ができるような仕掛けを作っておこうとしているのです。
                              □ □ □
 国家安全保障基本法案は、法律案ですから衆参の過半数で成立してしまいます。法律としてひとたび成立すれば、内閣は国会の意思を尊重して行政行為を行います。つまり、自衛隊の海外派遣を実行するということです。
 いままで事故でなくなった自衛隊員は1840人です。戦死者は1人もいません。ちなみにアメリカの戦死者は10万人です。日本の防衛費は4・7兆円、アメリカの国防費は55兆円です。アメリカの退役軍人庁の予算は年間5兆円です。国家安全保障基本法案は、そういうアメリカのような軍事大国を目指そうという「覚悟」があってのものなのでしょうか。
 国家安全保障基本法は憲法違反ですが、日本には憲法違反を問う仕組みがありません。フランスでは国会に法案を上程する段階で憲法裁判所が審査します。ドイツでは国会で法律が成立しても憲法裁判所が否決すれば発効されません。我が国では、たとえば海外に派遣された自衛官が死んだり、負傷したりした場合に、本人や遺族が憲法違反の法律によって派遣を命じられ損害を被ったと国に対して損害賠償訴訟を行うことを通してしかその法律が違憲かどうか問うことが出来ません。一度法律ができてしまうと最低1人が犠牲にならないとその法律が憲法に照らして正しいかどうか問う場面がないという恐ろしいことになります。
 このように国のかたちが変わることを周囲の国々は快く思っていません。その理由はハッキリしています。安倍首相の歴史認識が誤っているからです。安倍首相は、侵略の定義は定まっていないと言いましたが、日本も賛成して成立した、1974年の国連決義3314で侵略の定義は明確に定まっています。
 日本の過去の侵略戦争と植民地支配に対して反省とお詫びを述べた村山談話、朝鮮半島を中心とする「従軍慰安婦」に対して反省とお詫びを述べた河野談話について、一時安倍首相はこれら談話を否定しました。新たな談話を出すと言っていました。しかしいまはそれらを踏襲しているとは言いますが、その中身は不明です。靖国神社の春の例大祭に180人もの国会議員が参拝し、安倍首相が8月15日に玉串料という代理参拝をしました。その8月15日の演説の中で侵略にたいするお詫びのことばはありませんでした。
 いま安倍首相が憲法解釈を変えるという理由としてあげているのが、我が国の安全保障環境がいっそう悪化しているということです。しかし悪化させている責任は安倍首相にもあるのではないか。まさに自分の責任を棚上げして他人に責任を転嫁するのは弱虫のやることだと思います。「戦争をする国」にしないために真剣に世論を作っていかなければならないと思います。

5・3憲法集会実行委で集団的自衛権行使に反対する署名に取り組んでいます
 
署名用紙は各県・地区の「憲法を生かす会」にあります
衆議院議長 伊吹文明様
参議院議長 山崎正昭様

 集団的自衛権行使は平和憲法の破壊です。憲法を守り、生かしてください

【請願の主旨】
 世論の多くは9条改憲に反対しています。どの世論調査でも、「9条改憲反対」は多数であり、最近では「集団的自衛権行使容認反対」は過半数を占めています。にもかかわらず安倍政権は、しゃにむに集団的自衛権行使ができるように突き進み、閣議決定や立法で憲法9粂を空文化しようとしています。準備されている「国家安全保障基本法案」は、集団的自衛権行使容認やそのためのあらゆる制度・政策をおりこんだ総動員体制をめざしています。日本を自衛隊がアメリカと共に世界のどこでも武力行使ができる「戦争する国」にしようとしています。そのため内閣法制局長官の首のすげ替えや、首相の私的諮問機関にすぎない「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」などの利用を強引に進めています。
 日本国憲法は過去の悲惨な戦争と専制政治を反省し、人びとの平和と民主主義の渇望のなかから生まれました。特に憲法9条は「武力による威嚇又は武力の行使の放棄」「戦力不保持」「交戦権否認」を定め、国内でも世界でも人びとの支持を集めています。
 戦争のない平和なアジアと世界を願う私たちは、憲法9条を形骸化する集団的自衛権の行使を絶対に許しません。また明文改憲に反対し、憲法を守り、生かすことを強く求めます。

【請願事項】 1.憲法違反の集団的自衛権行使を可能にするすべての立法や政策に反対します。
        2.憲法改悪に反対し、第9粂を守り、生かすことを求めます。

組織強化と活動活発化を一総会の報告

      憲法を活かす会千葉県協議会

 憲法を活かす会千葉県協議会は、10月13日第11回総会を開きました。今回は地区の活動報告を多くして記念講演はやめました。関東連絡会の皆さんは議案書そのものをご存知ないと思うので、主にその内容から報告します。

 A.主な活動経過報告
1.地区活動:県内には15地区に活かす会があり、独自にそして地区共闘団体にはいって日常活動をしています。
 広い地域に少ない人口の郡部で、憲法集会開催にあたって1万枚のビラ戸別配布、宣伝カー巡回などをして56名の参加者を集め、会員をふやすなど元気に活動(山武・長生活かす会)。学習をつづけながら地域共闘団体の一翼をにない、大きな集会や街頭宣伝にとりくむ(木更津、松戸など)。いじめ・自殺問題に取り組んだ館山。地区内193カ所の定点放射線測定を1年間続けた銚子。廃業映画館を活用し定期映画会開催等々をしている市原、千葉市の会からは自前チラシで定期駅頭宣伝をし、行政区単位の会を準備中との報告がありました。
2.国政選挙:衆院選では各党の政策研究会を開催、参院選では比例区山城博治、選挙区太田和美両候補を支援、糸数候補にカンパで支援しました。
3.脱原発:東京や福島の脱原発集会に参加し、県内では「原発さよなら千葉」の諸活動に協力。
4.憲法集会:今年は「憲法を何としても生かそう5・12集会」を開催、広瀬弁護士(世話人)講演会と習志野市内のデモをしました。自民改憲案批判の学習会、憲法関係DVD上映会などは地区ごとにしています。
5.諸団体との連帯・交流:「平和への大結集・千葉」「パトリオットミサイルはいらない習志野基地行動実行委員会」に参加しています。原爆の絵展は県内11地区で開催、活かす会以外の団体・個人と一緒の実行委員会が増えています。

 B.活動方針
 情勢に見合った運動ができる組織づくりのために、地区活動の積極的交流、ホームページの有効活用、県の学習会・集会を年1回以上開催、「5・3」「12・8」などの地区行事に協力などをします。
 運営体制強化のため全地区からの参加、会議前学習充実、事務局拡充など、そして会報の内容改善と定期発行に努力します。諸団体との連帯・交流を積極的にします。
                *
 議案はどれも全会一致で可決。「民主主義を破壊する特定秘密保護法案に反対する決議」「原発を廃炉にし、国民の命と生活を守るための政策転換を求める決議」を採択し、村松・広瀬・堀共同世話人、上野委員長、荒川・永野副委員長、工藤事務局長を要とする新運営体制が発足しました。

    再生エネルギー視察の報告       実施日 2013年10月9日(木)

1勉強会
 現地視察に先立ち、再生可能エネルギーについての基礎的な知識を得るため、茨城県庁の担当者を講師に呼んで、鹿嶋市まちづくり市民センター研修室で勉強会をおこなった。
現地視察に先立ち、再生可能エネルギーについての基礎的な知識を得るため、茨城県庁の担当者
 を講師に呼んで、鹿嶋市まちづくり市民センター研修室において勉強会を行った。
                                  
  【詳 師】茨城県企画部新王ネルギ一対策室 係長 高橋大輔氏
  【テーマ】茨城県の再生可能エネルギー総論

主な説明内容(抜粋)
@ 再生可能エネルギーの種類@ 再生可能エネルギーの種類
再生可能エネルギーの種類
大規模水力発電    波力発電    潮流発電    海洋温度差発電    地熟発電(フラッュ方式)
新エネルギーの種類 
太陽光発電    太陽熱利用    バイオマス    風力発電    中小水力発電
 地熱発電(バイナリー方式)    温度差熱利用    雪氷熱利用

【主な再生可能エネルギーのメリット・デメリット等】         (電源コスト)円/KWH
種 類 電源コスト メリット デメリット
太陽光 30.1〜45.8円
(住宅用以外)
・クリーンで枯渇しない
・ 設置場場所を選らない
・メンテランスが簡単
・天候に左右され発電量が不安定
・発電施設に広い面積が必要
・発電コストが高い
風力 9.9〜17.3円
(陸上風力)
・ 発電時にCO2が発生しない
・ 発電時の燃料費が無料
・ 風任せで発電が不安定
・ 風況の良い場所等の確保が困難
・ 低周波・風切り音の発生
バイオマス 17,4〜32,2円
(木質事業)
・京都議定書でCO2を排出しないもの扱い
・ 循環型社会の構築に寄与
・ 農山漁村の活性化、地域環境の改善
・ 安定的な資源の確保に課題
・ 収集・運搬コスト高
小水力 19.,1〜22,0円 ・CO2など環境汚染ガスを排出しない
・流水があればどこでも発電可能
・天侯の影響が少なく安定発電
・環境破壊や生態系への影響が懸念
・降水量に左右される
・ゴミの除去等メンテナンス必要
・設置費用、メンテ等のコスト高
(参考)コスト〜石炭火力9.5円、一般水力10.6円     *いずれも資源エネルギー庁試算

A 日本の電源別発電電力量の割合
 ・日本の総発電電力量は2005年以降、約1兆KWHで推移。
 ・そのうち再生可能エネルギー(水力を除く)が占める割合は1%前後で推移。
 ・導入拡大策により2012年度の割合は1.6%に達する見込み。
・ 諸外国をみると、2010年時点でドイツ14.7%、スペイン18.5%、イギリス6.2%、アメリカ4.4%
  → 特にドイツは早い時期から導入進め、2020年35%目標。
B 日本の再生可能エネルギーの拡大施策
 ・1997年からの補助金による支援、2003年からの電気事業者に対する義務量枠付け(RPS)は効果薄。
 ・2009年の余剰電力買取制度、さらに2012年7月の固定価格買取制度によって導入拡大。

 【固定価格買取制度の基本的な仕組み】
 ■電力会社は、再生可能エネルギーで発電を行う事業者から、電力を供給したいとの申込み があった場合には、必ず応じなければならない。
 ■その際、政府が指定した調達価格・調達期間での買い取りを義務付ける法律であることから、「国定価格買取制度(Feed−in Tariff:Fit)」と呼ばれる。
 ■電気事業者に再生可能エネルギーによって発電された電力を全量、一定期間、一定価格で買い取ることを義務付けるもの。

■平成25年度で買取総額約4800億円。国民負担額は3100億円程度。
■電気気料金月額7000円の標準家庭で月120円程度の負担。


【平成25年度の買取価格・期間等】
電気事業者に対する,国が定める一定の期間・価格での,再生可能エネルギー電気の買取りの義務づけ。平成24年7月1日から施行(平成25年3月、平成25年3月、平成25年度中の買取条件決定)。

<平成25年康の買取価格・期間等>
電源 太陽光 風力 地熱
調達区分 10kW以上 10kW未満 20kW以上 20kW未満 1.5万kW以上 1.5万kW未満
調達価格
(税込み)
37.8円 38円 23.1円 57.75円 27.3円 42円
調達期間 20年 10年 20年 15年
電源 中小水力
調達区分 1千kW以上〜3万kW未満 200kW以上〜1千kW未満 200kW未満
調達価格
(税込み)
25.2円 30.4円 35.7円
調達期間 20年
電源 バイオマス
種類 ガス化 固形燃料燃焼
下水汚泥 家畜糞尿 未利用
木材
一般木材 一般
廃棄物
下水汚泥 リサイクル
木材
調達区分 メタン発酵ガス化 廃棄物系
調達価格
(税込)
40.95円 33.6円 25.2円 17.85円 13.65円
調達期間 20年

※ 経済産業大臣が.毎年度、当該年度の開始前に再生可能エネルギー発電設備の区分、設置の形態及び規模ごとに,1kWh当の利潤にたりの価格・期間を決定。法律の施工後3年間に限り、発電事業者の利潤に特に配慮することとされている。

             ごうのいけ
2 現地視察(1)神之池/バイオマス発電所

【経 営】神之池バイオエネルギー(株)  *中国木材(株)と三菱商事(株)の共同出資
【所在地】神栖市束深芝2−21 *中国木材(株)鹿島工場内
【特 徴】国内最大級の木質バイオマス専焼発電所。燃料は樹皮、オガ。発電出力21,000KW

3 現地視察(2)ウインド・パワーかみす風力発電所
  【経 営】(株)ウインド・パワー    【所在地】神栖市南浜地先
  【特 徴】国内初の本格的洋上風力発電所。発電量は15基で7,500万KW、一般家庭15,000世帯分。

4 懇談会
 現地視察後、神栖市平泉コミュニティセンター会議室において、見学後の感想、今後の運動の方向性等について意見交換を行った。(以下は主な意見)
  ○政府に政策転換を迫る運動が必要  ○原子力は解決不能な問題残る  ○原発事故は不可逆性持つ  ○LNGの液化保存は危険  ○代替エネルギーにも慎重な検討必要  ○発送電分離を進めるべき  ○地球温暖化対策との関連考慮  ○福島の汚染水問題は新たな局面   ◎新たな運動への決意を

特定秘密保護法ってなーに?
   昼休み職場学習会を開催!

 かながわ平和憲法を守る会事務局次長 吉田 明
 自治労の横浜港南支部が12月3日の昼休みに「秘密保護法」の学習会を開きました。新進気鋭の石崎明人弁護士を講師にお願しての学習会でした。短時間でしたが、参議院で奮戦されている真っ最中とあって、参加した組合員の皆さんは熱心に聞き入っていました。この法律が成立したら、労働組合活動も制約されるのではないかという懸念の発言も出されました。野党の質問にまともに答えず、数の論理で強引に、こんな悪法を通す事は許されません。こんごは憲法違反の法律の「廃止」に向けてがんばりたいと思います。

 講師は弁護士の石崎明人さんで、7ページのレジュメと秘密保護法修正案全文を用意していただき、お話しをされました。はじめに「秘密保護法について懸念されていることは民主主義の前提である正確な情報(判断材料)が国民の手元に届かくなる。しかも軍事、TPP、原発関連情報など重要なものであればあるほど隠される」と指摘されました。
 この法案が成立すると、@国会や裁判所を含めた機関への提供・提示が厳格に制限される、A適正評価を受けた公務員や従業員しか取り扱うことが出来なくなる、B取扱業務従事者や知得者の漏えいに重い処罰が加えられ、メディアの取材や学者・研究者・市民等の調査活動も処罰の危険に晒される、と話されました。そして、条文を次のように解説しました。
 特定秘密は、広範になります。防衛は10項目、 外交5項目、「特定有害活動の防止」・いわゆるスパイ活動は4項目、テロリズムの防止に4項目となっています。特定秘密の取扱者の制限によって、行政機関の長や警察本部長が(委任可能))がする適正評価が行われ、プライバシーの侵害、人権侵害が懸念されています。
 そして、この法律が適正に運用されるのかが問題になっており、処罰が重すぎるとの声が上がっています。どこまでやったら処罰されるか分からないので取材活動が萎縮しまうこと、これが法案の狙いだと言えます。今、広い情報公開が要請されているのに、逆方向のことをしようとしている。秘密の範囲が広すぎる。どこまで際限なく広がるのか分からない。知る権利が侵害される。メディアや情報の取得側が今以上に萎縮してしまう。冤罪の恐れが高まる。いつ、何が特別秘密に指定されたか分からないから、どんな情報をどうすれば処罰されてしまうのかかが不明確等、多くの問題点が指摘されました。

東京大空襲訴訟

 東京大空襲訴訟原告団 千葉利江
裁判と立法運動で闘ってきた7年間
 原告団は、人間としての尊厳を踏みにじられ、その生き様は家族にも話をすることができなかった無名の人たちの集まりであった。2007年3月集団提訴以来、学習し、討論し、署名活動など組織的な活動を作りあげてきた。様々な方々の協力とマスコミのあと押しも得た。
 法廷での闘いを通じて、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の憲法に根差した闘いであることを確信した。2009年12月東京地裁で敗訴するが、判決は孤児や傷害者の被害を認め、「戦争被害受忍論」は引用せず、立法での解決を明示した。
 2010年3月には、「国会議員と空襲被害者との懇談会」を議員会館で初めて開催し、8月に「全国空襲被害者連絡協議会」を起ち上げ、全国の被災者から期待が寄せられた。民主党政権になってからは議員事務所訪問を行い、議員連盟総会で「空襲被害者等援護法案(仮称)」の検討など、主権者という意識に目覚めて立法運動に取り組んだ。法案提出まであと一歩のところだったが、2012年末の衆議院解散により実現できなかった。

 「上告棄却」敗訴確定後の「原告団」の活動
 昨年5月の上告から、「上告受理」を求めて5回の最高裁要請行動を行ったが、本(2013)年5月8日付、最高裁第一小法廷裁判官一致の意見で「上告棄却」が決定、敗訴が確定した。棄却理由は、「民事訴訟法の上告と上告受理の条項に当たらない」というだけである。「空襲被害者の被害と権利侵害に向き合い、人権侵害と被害の回復を判断する」という司法の任務を放棄し、上告費用526万円ぶったくりの門前払いであったことに怒りがこみあげた。
 弁護団の指導の下、日弁連への「人権救済の申立」を行うことを決め、支援の方たちにも呼びかけて、103名が申請手続きを行い、11月25日に日弁連へ提出した。
 夏の聞、マスコミの取材もあり、新聞やテレビ報道も続いていた。語り部として集会で話をしたり、地域の戦争展で裁判のことも報告してきた。また「全国空襲被害者連絡協議会3周年の集い」を共催したり、原告団役員は議員連盟再構築の要請に尽力してきた。

 今後の「原告団」の組織と活動
11月15日、第8回原告団総会を開催し、今後の組織のあり方と活動について討論した。総会以後は、「立法促進、被害者救済を求ある東京大空襲訴訟 ”元原告” と ”支援者”の会」(通称は「東京大空襲訴訟原告団」)に改組する。その目的は、@「戦争被害は我慢せよ」(受忍論)を打ち破ること、A「空襲被害者等援護法(仮称)」の実現、B大阪、沖縄裁判の勝利支援、C残務整理など、闘いを継続していくことを確認した。
 多くの国民も政治家も、先の戦争の惨禍とこの国の歴史を余りに知らない。困難なことは尽きない。一方、被害者は高齢であり、国の謝罪と補償は切実である。「戦争の時代」の生き証人として、未来に「戦争被害受忍」を繰り返さない闘いにしなければならないと思う。

公開講演会第17回許すな!憲法改悪・市民運動全国交流集会

 憲法の市民運動の全国的な連携を強化するために1995年から始まった「市民運動全国交流集会」は第17回集会を来年2月に東京で開催します。いま安倍内閣は、自民党の憲法改正草案にそって、この国を、天皇を元首に載き、国防軍で「戦争をする国」に変えようとしています。全国各地の市民運動が協力・共同しながら、東アジアの国々の人びとと連帯し、この安倍内閣の危険な改憲暴走を阻止しなくてはなりません。

日時:2014年2月15日(土)13:00〜16:00(13:30開場
会場‥在日本韓国YMCAアジア青少年センター・Blホール
             東京都千代田区猿楽町2−5−5(JR水道橋駅東口から徒歩5分)

講演T 「安倍内閣の暴走と改憲」斎藤美奈子さん(文芸評論家)
講演U 「集団的自衛権行使への動きと改憲、そして沖縄」(仮)
               高良鉄美さん(琉球大学法科大学院教授)
アピール 伊方原発再稼働反対運動などから
 参加費:1000円

      【主催】第17回許すな!憲法改悪・市民運動全国交流集会実行委員会
*公開講演会のあと引き続き、2月15日(土)17:00〜2月16日(日)12:00で「全国交流集会」が行わ れます。この参加申し込みは、憲法を生かす会東京連絡会まで(2014年1月15日〆切)。
*さようなら原発1000万人署名の第2次提出が11月26日行われました。第1次と合わせて8,378,701筆。
 署名は1000万人に達するまで続けることが実行委で確認されています。
 提出後に記者会見した呼び掛け人の作家大江健三郎さんは、福島市で開かれた特定秘 密保護法案の公聴会での「情報が出ていれば被ばくを避けられた」という口述人の発 言を引用。「福島の大きい経験と秘密保護法の問題とが一緒になって私たちの現代の問題となっている。今日ここで私たちが署名簿を持ってきたことは意味があった」と 話した。(「東京新聞」11月27日)
2014年3月8日(土)脱原発福島現地集会(県民集会)
   福島県郡山市・磐梯熱海「ゆらっくす」/第1部:講談(神田香織さん)第2部:県民集会
   *憲法を生かす会は、8日〜9日(1泊2日)の日程・企画で現地集会に参加します。
2014年3月15日(土)さようなら原発大集会(日比谷野外音楽堂)
   13:00開場、13:30開会、15:00デモ出発
*3月9日〜15日「フクシマ」を訴えるキャラバン行動:東京(3月15日)第5福竜丸→日比谷
*2014年9月15日(月・祝日)さようなら原発大集会(代々木公園)
 
 院内集会
  2014年1月通常国会開会日
   5・3憲法集会実行委員会
 編集・発行:憲法を生かす会関東連絡会
 連絡先:憲法を生かす会東京連絡会
 〒101−0032 東京都千代田区岩本町2−17−4
 電話03−5820−2070FAX O3−5820−2080