ライン

どうなる? どうする?
 日本の憲法
「戦争をする国」への道を許さないために

ライン
憲法改悪の動きが急ピッチです

 自民党は2007年までに憲法を変えると言っています。民主党もそれにむけて準備を進めています。財界やマスコミはこぞって「憲法かえろ」のキャンペーンを展開しています。憲法改憲推進勢力は本気です。
 なぜいま、憲法を変える必要があるのでしょうか?
憲法のどこが問題で、どのように変えると言っているのでしょうか?
憲法が変わると私たちの暮らしや職場はどうなるのでしょうか?
こんな疑問をいっしょに考えていきましょう。


  最近の憲法に関する動き
2000年 「(日本の憲法が)集団的自衛権を禁じていることが(日米)両国の同盟協力を制約してしいる」(アメリカ・アーミテージ報告)
2000年
国会において憲法調査会が設置
2003年 4月 経済同友会「憲法問題調査会意見書」
2004年 6月 自民党憲法調査会憲法改正プロジェクト「(憲法改正の)論点整理」発表
民主党憲法改正中間報告
2004年 7月 日本経団連「国の基本問題検討委員会」設置
2004年 8月 「国連常任理事会入りには憲法9条の再検討が必要」(アメリカ・パウエル国務長宮)
2005年 5月 (予)国会憲法調査会最終報告書
2005年11月
(予)自民党改憲案策定
2007年 (予)憲法「改正」・国民投票?

ライン

憲法改正 Q&A1
「なぜいま、憲法改悪なの?」

目的は「戦争をする国」づくりです。
 憲法改悪の目的は、一言でいうと「戦争する国」づくりです。
 自民党は、憲法9条をかえ、自衛隊を「軍隊」として位置付け、集団的自衛権の行使を可能にするとしています。また、「国際協調」の名のもとに、自衛隊を海外派兵できるようにしようとしています。さらに、憲法全体を見直すとも言っています。
 もちろん、これは国民の要求ではありません。では、それは誰の要求なのでしょうか。
 90年代なかば以降、アメリカの要求に基づき、自衛隊を海外に送り出すためのさまざまな法律が作られてきました。しかし、それらの法律は、憲法九条があるために、「海外では戦争しない」ということを建て前にせざるをえませんでした。
 たとえば、日本政府は、アメリカから「イラクに自衛隊を派兵せよ」と要求され、イラクの領土内に自衛隊を派兵しました。しかし、自衛隊はイラクに行っても、給水活動など人道支援か米軍の物資を輸送機で運ぶしかできません。
 こうしたことから、アメリカは、日本に対して、憲法九条を変え、アメリカの戦争に参加できるようにつよく要求しています。
 このように、自民党などの「憲法改悪」の動きの背景には、アメリカの強い圧力があるのです。

集団的自衛権とは?
「集団的自衛権」とは、軍事同盟をむすんでいる相手のはじめた戦争に参加することです。
日本はアメリカと「日米安保条約」という軍事同盟を結んでいます。
 憲法で集団的自衛権を認めるというのは、アメリカの戦争に参加するということです。

 

アメリカの戦争への参加のしくみづくり

1996年 日米安保共同宣言事実上の安保条約改悪
1997年 
新ガイドライン(日米防衛協力のための指針)
1998年 「周辺事態法」制定 日本「周辺」での武力攻撃の際、米軍の物資輸送、
労務提供など後方支援
2001年 「テロ特措法」アメリカのテロ報復戦争への参加。自衛艦がインド洋に出航
2002年 
「武力攻撃事態法」など有事関連3法アメリカを後方支援する自衛隊に
武力攻撃またはその恐れのある場合に戦闘参加
2003年 「イラク特措法」イラク戦闘1軍のもとへ自衛隊派兵

−憲法を読んでみよう@−
第9条 @日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
     国権の発動たる戦争と武カによる威嚇又は武カの行使は、国際紛
     争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
    A前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持
     しない。国の交戦権は、これを認めない。

ライン

憲法改正 Q&A2
「憲法改悪でわたしたちの暮らしはどうなるの?」

平和も人権もおびやかされ、自由にものを言えない社会に

戦争を放棄し平和な国から「戦争する国」へ

 憲法が変わるとアメリカの戦争に堂々と参加するようになります。アメリカの現代史は戦争の歴史です。アメリカの戦争に参加するということは日本もそうなるということです。
 イラクでアメリカやイギリスの軍隊がしたように、日本の自衛隊の戦艦からミサイルが打ち込まれ、自衛隊の戦車が街を焼き、自衛隊隊員が子どもたちを撃ち殺すということが行われます。もちろん、自衛隊員にも死傷者がでるでしょう。イラク戦争ではすでにイラク人1万人以上、アメリカ兵は1千人以上が死んでいます。

アメリカによる主な戦争・内政干渉
               (1960年代以降)

1961年 キューバ・プラヤヒロン侵攻
1964年 ベトナム戦争(〜75年)
1965年 コンゴ介入
1966年 ドミニカ内戦介入
1970年 ラオス.カンボジア侵攻
1973年 チリ・クーデターへの介入
1979年 二カラグア・エルサルバドル介入
1983年 グレナダ侵攻
1986年 リビア・ミサイル基地攻撃
1989年 パナマ侵攻
1991年 湾岸戦争
1992年 ソマリア内戦
1994年 ハイチ侵攻、ボスニア空爆
1999年 コソボ空爆
2001年 アフガニスタン・テロ報復戦争
2003年 イラク戦争

自由や基本的人権も制限

 国民も、報復攻撃やテロの危険にさらされるようになります。テロを防止するという名目で国民への統制が行われるようになります。外国人をスパイではないかと疑うようになり、さらには日本人どうしもお互いを監視しあうようになります。
 マスコミは国の統制下におかれ、相手国に情報を与えるようなものや戦争を批判する報道は厳しく規制されるようになります。
 国民の自由や基本的人権も戦争を理由に制限されるようになるでしよう。

−憲法を読んでみょうA−
第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障す
    る基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民
    に与へられる。


自民党憲法改正プロジェクトチーム「論点整理」
 (以下、「論点整理」)では、武力攻撃やテロ、大規模災害など「非常事態」において、総理大臣への権限を集中させ、権利・白由を制限できるようにあらかじめ憲法原則を明確にするとしています。


企業も戦争に協力させられる

 戦争に使われるのは武器や弾薬だけではありません。輸送用のトラック、通信機器、コンピューターなど、さまざまな機器の需要が拡大します。こうしたものを作っていた職場では軍需用に製品を作るようになります。機密を守ると言う名目で、労働者への監視と規制が強まります。労働組合の活動も制約されるようになるでしょう。

武力攻撃事態法では、JR、大手私鉄、航空など運送事業や放送局など160の企業が「指定公共機関」に指定され戦争への協力を義務づけられています。金属製造業は入っていませんが、すでにテロ特措法にもとづき、大手軍需企業では、インド洋に出航している自衛艦に業務命令で労働者を出張させています。

自民党・「論点整理」が具体的に見直しを検討している主な条文
 「前文」(全面改訂)、「戦争の放棄」(9条)、「自由及び権利の保持義務と公共の福祉(12条)、「個人の尊重と公共の福祉」(13条)、「政教分離規定」(20条)、「居住、移転、職業選択、外国移住及び国籍離脱の自由」(22条)、「婚姻・家族における両性平等規定」(24条)、生存権(25条)、「財産権」(29条)など。


戦費をつくるために増税や社会保障費削減も

 戦争にはたくさんのお金が必要です。消費税など増税がおこなわれる一方、社会保障費など、本来国民のためにつかわれるべき財政が制限されるようになります。したがって、国民の生活は不自由になります。自民党は、あたらしい憲法に、家族を扶養する義務や社会保障を支える義務などを明記し、国民が社会保障など国に頼るのではなく、白分の力で生活すべきことを明確にしようと言っています。

−憲法を読んでみょうB−
第25条 @すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
     A国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向
      上及び増進に努めなければならない。

自民党・「論点整理」は、いまの日本は自分のことばかり考えて国家のことを考えない風潮が生まれているとし、あたらしい憲法では、国民の「責務」を明記すると言っています。これは、これまでの憲法の考え方を180度逆転させるもの。
 憲法とは、主権者である国民が国の横暴に制約を加えたものです。「論点整理」はこれを否定し、「国民の責務を明確にするもの」に憲法を変えようとしているのです。

学校やマスコミをつかって戦争に協力する人づくりも

 戦争に反対したり非協力的な国民が増えたりすると困ります。国民みんなが愛国心をもって、政府のいうことはすべて正しいと思うような教育をすすめるようになります。そのために、君が代や日の丸が強要され、それに反対する教師や生徒は弾圧されます。
アメリカに協力することが「国際協力」とされ、アメリカの意に沿わない国、ものを言う国には「テロ国家」というレッテルがはられます。
学校では、そうした国を力で押さえつけることが「国際貢献」だと教えられます。

 憲法改悪と並行して教育基本法の改悪の動きが本格化しています。政府は2005年の通常国会に教育基本法改悪を提出しようとしています。改悪案は、憲法の平和主義、国民主権をうばい、学校教育を「戦争する国の人づくり」の場に変えようというものです。すでに、東京都では卒業式で日の丸掲揚や君が代斉唱を拒否した教師を処分するなど教育基本法改悪を先取りし、戦前の教育を復活する動きがすすんでいます。

戦争する国へと「国家改造」

 戦争を始めるときや国民や民問企業、自治体を戦争協力に動員するためには、時問をかけて国会で議論しているわけにはいきません。国民の意見を聞いている暇もありません。
そのため、国民には「戦争することにした」と言えばいいようになります。あとは、すべて政府が決めます。それも「時間がない」「国家機密だから」と事後報告となることもあります。

−憲法を読んでみょうC−
 第97条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる
      自由獲得の努カの成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に
      堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利と
      して信託されたものである。


自民党・「論点整理」では、国会、内閣、司法から地方政治にいたるまで、「戦争する国」づくりという視点から国の統治のありかたをみなおそうとしています。たとえば、「二院制の改変(参議院の廃止)」、総理大臣の公選制と権限強化、道州制の導入などを新しい憲法にもりこむとしています。

ライン

憲法改正 Q&A3
「職場やくらしには、あまり関係ないのでは?」

いまの憲法が、職場とくらしをまもる、大きな力になっています

 「思想及び良心の自由」(19条)、「集会・結社・表現の自由」(21条)、「教育を受ける権利」(26条)など、憲法のどの条文をとってみても、わたしたちのくらしにかかせません。27条では、国民にははたらく権利があり、労働条件に関する基準は法律で定めるとされ、これにもとづいて労働基準法がつくられました。28条は労働組合の団結権やストライキ権を保障しています。労働組合の活動は憲法によって保障されているのです。このように、はたらくルールの土台は憲法です。
 とくに重要なのが25条です。25条では、国民には生存権があり、国には国民の生活を保障する義務があることを定めています。この規定にもと,づき、年金や医療など多くの社会保障制度が確立されました。25条は、春闘など職場での要求闘争の土台なのです。
 このように、憲法は、わたしたちの職場やくらしをまもる、大きな力となっているのです。
 自民党は「憲法のもとで日本は利己主義的な風潮がはびこっている」として、こうした基本的人権を定めた条項をみなおそうとしています。
憲法改悪で、わたしたちの職場やくらしも大ピンチです。

−憲法を読んでみょうD−
 第26条 @すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
      A賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
 第27条  勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

−憲法を読んでみょうE−
第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努カによつて、
     これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならな
     いのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。


ライン

憲法改正 Q&A4
「日本の憲法はアメリカの押しつけでは?」

現在の憲法は、国民に歓迎され、
        国民のたたかいによってまもられてきました

 いまの憲法の草案は、連合国軍総司令部(GHQ)によって作成されました。それは、日本がポツダム宣言の受諾で軍国主義をとりのぞくことや、基本的人権と民主主義を世界に約束していたにもかかわらず、当時の政府がつくった憲法草案はあいかわらず天皇を主権とし戦争への反省のかけらもなかったからです。国会にかけられたGHQ案はさらに見直し補強され公布されました。
 発表された憲法は国民から歓迎され、憲法を普及する運動が全国で展開されました。
 やがて、憲法は国民のたたかいをつうじて、くらしや職場に根付いていきました。とくに9条の平和原則は、基地反対闘争、原水禁運動、安保闘争、ベトナム反戦、沖縄返還闘争などを経るなかで着実に国民のものになっていきます。
 そして、非核三原則や武器輸出三原則など、憲法9条を政治にいかす政策が実行されていきました。
 それだけではありません。25条の生存権をかかげ「人間裁判」といわれた朝日訴訟、14条をかかげ女性差別・思想差別などの裁判闘争がたたかわれました。このように、日本の国民は、社会の不当な現実にたいし、憲法の理念をかかげ、それを現実のものとするためにたたかいました。その営みは、まさに憲法がかかげる「自由及び権利を保持するための国民の不断の努力」にほかなりません。

非核三原則
 核兵器を「つくらず」「もたず」「もちこませず」の三原則で、1971年の国会で決議された。
武器輸出三原則
 「共産圏諸国、国連決議で禁止された国、国際紛争国への武器輸出禁止」「それ以外へも輸出をつつしむ」「武器製造関連設備の輸出も準じる」、武器輸出の全面禁止。1967年佐藤内閣が表明し、三木内閣の時代に「統一見解」として確立。
朝日訴訟
 結核患者の朝日茂さんが家族からの仕送りを理由にした生活保護費削減は憲法25条の生存権に反すると国を相手に争った事件で、多くの労働組合や国民が支援。「人間裁判」とも呼ばれたこのたたかいはその後の杜会保障政策に大きな影響を与えた。

世界で孤立するアメリカ
 アジアでは「東南アジア防衛条約機構(SEATO)」というアメリカと東南アジア諸国の軍事同盟が、ベトナム戦争敗北の過程で1975年解体。アメリカ大陸の国々の軍事同盟である米州機構(OAS)も、1989年の米軍のパナマ侵攻が各国の批判をあび、機能停止状態となっています。 アメリカが一番たよりにしているNATO(北大西洋条約機構)もフランス、ドイツなどがアメリカのイラク戦争を批判。アメリカはその横暴さから世界でますます孤立を深めるようになっています。

ライン

憲法改正 Q&A5
「『国際協調』のためには、軍事力が必要では?」

自民党のいう「国際協調」は、「アメリカとの強調」
               平和的解決の努力こそが必要です

 自民党のいう「国際協調」は「アメリカとの協調」の意味です。かつてアメリカはその巨大な力で国連を動かし「国際協調」の名でみずからの戦争を正当化してきました。しかし、最近は国連もアメリカいいなりでなくなってきたため、アメリカは国連を無視するようになっています。「アメリカとの協調」イコール「国際協調」ではないのです。
 そもそも、軍事力では国際紛争は解決できません。「憎しみの連鎖」を招いてあらたな紛争とテロの要因となるだけです。それは、アフガン・イラク戦争後、世界でテロが頻発していることからも明らかです。
 国際紛争を解決するためには、各国が共同して、また国際的な世論の力で、その根源を平和的に取り除くことが必要です。平和憲法は「国際協調」に貢献できる強力な"武器"です。ところが、日本政府は、平和へのイニシアを発揮するどころか、国際紛争の火種をつくっているアメリカに追随ばかりしています。たとえば、フランスやドイツがアメリカのイラク攻撃を回避するため最後まで努力したのにたいし、日本の政府はいっかんしてアメリカのイラク攻撃を支持し続けました。
 改めるべきは平和憲法でなく、アメリカ追随の自民党政治といえるでしょう。

−憲法を読んでみょうF−
第19条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

日本の憲法は人類の財産
 世界最初の憲法である1791年フランス憲法は「征服の目的でおこなう戦争をすべて放棄」するという規定をもりこんでいます。さらに「不戦条約」(1928年)は「国際紛争解決のため戦争に訴うることを非とし」「国家の政策の手段としての戦争を放棄する」と定めています。このように日本の憲法は世界の反戦平和の思想を受け継いでいるのです。同時に多くの侵略戦争が「自衛のため」を大義としてすすめられるなかで、戦力を放棄し交戦権を認めず、あらゆる国際紛争を平和的に解決すると宣言した日本の憲法は、人類の最高の到達点です。

ライン

憲法改正 Q&A6
「外国からの攻撃やテロにいまの憲法で対応できますか?」

世界の国々との信頼と友好関係の確立こそ、日本の平和と安全を守る道です

 最近、「北朝鮮の脅威」がふりまかれています。北朝鮮は、日本人拉致事件など国際法に反する犯罪をくり返してきました。このことは厳しく糾弾されるべきです。しかし、食糧の白給すら困難な北朝鮮が日本に戦争をしかけるという想定は非現実的です。韓国、ロシア、中国など、それ以外の周辺国が日本に攻めてくると本気で考える人も、ほとんどいないでしょう。
 いま世界は、戦争でなく話し合いによる紛争の解決という平和と進歩の方向へと動きだしています。アジアでも、北朝鮮をめぐる6カ国協議やアセアン、中国、インド、日本が加盟した「アジア友好協力条約」など平和への努力が続けられています。世界の国々との信頼と友好関係を確立し、国際紛争の平和解決にむけ積極的に努力することこそ、戦争やテロをふせぐ最善の道です。
 日本は、君が代・日の丸や首相の靖国神社参拝をめぐって、中国や韓国、東南アジアから大きな批判をあびています。
 60年前に日本がおこした侵略戦争では2千万人をこえるアジアの人々が犠牲となりました。
 その侵略戦争を合理化したのが、「天皇は神であり、日本は神の国」という皇国史観であり、その象徴が、日の丸・君が代や靖国神社です。アジアの人たちにとって、日の丸・君が代が国旗・国歌として復活し、首相が靖国神社に参拝する様は、まさに60年前の亡霊です。これでは日本はアジアの国々から信頼されないでしょう。
 日本は「二度と戦争をしない」と誓いました。
それを世界に明らかにしたのが「日本国憲法」です。平和憲法をまもることは、アジアの人々との約束をまもり、アジアの国々との真の信頼関係を築き、世界の平和を構築することです。そういう努力こそ、日本の平和と安全をまもるのです。

−憲法を読んでみょうG−
 第98条 @この憲法は、国の最高法規であって、その条規に違反する法律、命令、詔勅
      及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

旧日本軍の残虐行為
中国では日本軍を「日本鬼子(リーベンクイズ)」、その行為を「三光」と呼んで恐れられていました。「三光」とは「焼き尽くし、奪い尽くし、殺しつくす」ということです。この言葉どおり、旧日本軍は、中国の村落という村落から財産という財産を奪いつくし、家々を焼き尽くし、人々を殺し尽くしました。さらに、日本は、数百万という中国人や朝鮮人を強制連行し、炭鉱や工場で過酷な強行労働に従事させ、女性を従軍慰安婦にするなど奴隷のような扱いを強いてきました。化学・細菌兵器の開発のために生きている人を生体実験に使うという残虐なことすら行ったのです

ライン

憲法改正 Q&A7
「日本の憲法は時代遅れでは?」

時代おくれどころか、平和憲法がいま、世界に広がっています

 イラク戦争は、暴力と憎しみの応酬では平和は訪れないこと、真に平和な国際社会を築くには、それぞれの国が戦争を放棄し、戦力をもたないことが必要だということを明らかにしました。憲法9条を世界に広げることこそ平和への道なのです。
 実際、憲法9条は世界に広がっています。ハーグ世界市民平和会議では「各国議会は日本国憲法9条のように自国政府が戦争することを禁止する決議をすること」が採択されました。アメリカでは日本の憲法9条の理念を普及する「九条の会」が活動しています。スペインには日本国憲法9条の碑があります。
 日本の憲法は「時代おくれ」どころか、今もなお、世界の平和運動の先頭で、社会進歩の方向をさし示しているのです。

−憲法を読んでみょうH−
 第24条  @婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し夫婦が同等の権利を有することを基
      本として、相互の協カにより、維持されなけれぱならない。
     A配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関す
      るその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚
      して、制定されなければならない。

ライン

憲法改正 Q&A8

「プライバシー権など新しい権利が必要なのでは?」

個人の尊重、幸福追求の権利などで、
  すでに包括されています。問題は、その完全実施です

 自民党は「環境権」や「プライバシー権」など、あたらしい権利をあたらしい憲法にもりこむと言っています。
 しかし、いまの憲法も、すでに国民が個人として尊重されることを明らかにし、幸福追求の権利として人間らしく生きる権利を包括的に保障しています。
 そもそも、盗聴法や住基ネット、環境破壊の公共事業の推進など、プライバシーや自然環境を破壊する政策をとってきた自民党に「新しい権利」を主張する資格はありません。

−憲法を読んでみょうI−
 第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民
     の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最
     大の尊重を必要とする。
 第14条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門
     地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

ライン

憲法改正 Q&A9
「憲法を守るためには、どうすればいいの?」

多くの仲間に知らせ、国民の声を大きくすれば改悪を防ぐことができます

 国民は、戦争のない平和な社会、自由でひとりひとりが大切にされ、安心して暮らせる社会を望んでいます。こうした願いと憲法改悪の方向はまったく正反対です。このことを多くの仲問にもっともっと知らせていけば、憲法改悪はかならず阻止できます。
 6月には井上ひさし氏らが呼びかけ人となって「憲法九条の会」ができました。すでにこの呼びかけにこたえて、職場や地域からの草の根の憲法を守る取り組みが広がっています。国民の過半数を結集する憲法改悪反対の署名も始まっています。
 このような国民の声を大きく広げて行く事が憲法改悪を許さず、さらに憲法が職場と暮らしに生かされ,より豊かになることにつながるのです。

憲法「改正」手続きは?
 憲法を改正するためには、国会議員の3分の2以上の賛成による発議にもとづき国民投票にかけ、過半数の賛成を得る必要があります。国民の過半数が反対すれば改悪をストップさせることができます。

                                    JMIU編
                             全日本金属情報機器労働組合
                                http://www.jmiu.com
                                          ホーム
ホームヘ