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戦後六十年を迎えた今年、憲法改正をめぐる動きが加速している。五年間におよんだ衆参両院の憲法調査会の報告書は今月、出そろったが、市民レベルの関心は必ずしも高まっていない。五月三日の憲法記念日を前に、私たちの「くらし」を形づくる憲法を、見詰め直す。 |
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暮らしとどこかで必ず結び付く
日本に生まれてよかった−。中学の時、公民の教科書で「日本国憲法」を読んでぼんやりと感じたのを今でも覚えている。
おそらく男女平等を定めた24条が、女性に生まれた私にとって頼もしかったのだろう。
男女平等といっても就職活動を経て社会人になったころには、現実はそんな甘くないと知った。
それでも憲法は私の味方だと、思える。憲法がなければ、男女雇用機会均等法も、ドメスティックバイオレス防止法も成立していなかったかもしれない。
国会で憲法改正論議が盛り上がる中、その憲法をあらためて見詰めようと、先輩とともに連載企画「くらしと憲法」に取り組んだ。取材当初の周りの反応で、最も多かったのが「難しいよね」の一言。「面白いと思うよ」という期待の声は1人だけだった。確かに大きなテーマだ。さまざまな主張がある。9条のように、国際的な視点を要する条項から、24条のように、個々の家庭生活に影響する条項もある。だだ、9条24条も、同じ憲法の中にあることに変わりない。
「難しい」と思うのはいい。だが「難しい」と言って考えるのをやめてほしくない。憲法は私たちの暮らしとどこかで必ず結び付いているのだから。(友)
下野新聞(2005.05.15 社会部発)「憲法を考える」から |
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