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 国葬に国軍代表者を参加させるなー

「アベ国葬」反対の国会正門前集会でアピールする

在日ビルマ市民労働組合のミンスイ委員長

    

「政治囚」の解放を求めて行動

 8月27日、新宿中央公園に在日ミャンマー労働者・市民300人が集まって、アンサースーチーさんを解放しろ!死刑執行に抗議する、「政治囚」を解放しろ!NGU(国民統一政府)を認めろ!の要求を掲げて集会とデモを行った。最大都市ヤンゴンで取材中に拘束され(7月30日)、いま政治犯収容先の刑務所に移送された日本人ジャーナリスト、久保田徹さんの速やかな釈放も求めて声を上げた。

 クーデタ(21年2月)で権力を掌握したミャンマー国軍は民主派への暴力と弾圧を続けている。拘束した民主化指導者などの処刑を強行(7月)し、民主派が結成した「国民防衛隊」掃討のために村人を追出し、民家を略奪し地雷の敷設など残虐行為を繰り広げている。弾圧による死者は2千人を超え、拘束された市民は1万5千人に上るという。

 ミャンマー民主化闘争を支持し、連帯しよう。声を上げよう。~アンサースーチーさんを解放しろ!久保田徹さんを即時釈放しろ!日本政府は「国軍支援」をやめろ!そして「アベ国葬」に国軍関係者を招聘するな!

    
 
 
   ミャンマー民主化闘争へ連帯と支援を

在日ミャンマー人が「8月8日」行動  在日ミャンマーの人々が「8月8日行動」を行った。五反田の公園に集結し、北品川にある在日ミャンマー大使館まで連日つづく猛暑のなかシュプレヒコールを繰り返し、デモ行進した。彼らの掲げるプラカードに日本語で書かれたスローガンは ― 日本政府は、ミャンマー国民の真の声に耳を傾けろ、人権を侵害しているミャンマー軍を制裁しろ、支援をやめろ、日本の政府は企業ミャンマー軍関係企業との提携をやめろ、ODA支援をやめろ、日本政府は、衆参両院決議を実行しろ、国民統一政府(NUG)と連携しろ、安倍元首相国葬に軍評議会関係者を出席させるな。

ミャンマーの軍事クーデタ(21年2月)から1年半が経つが、国軍による民衆弾圧は止むことなく続いている。7月には、ピョーゼヤトー元国会議員、作家のチュウミンユー氏など民主化運動の指導者・活動家4人が処刑された。不屈に軍に抵抗を続ける民衆とNGUへの脅迫、見せしめだ。これまでに市民の犠牲者は2000人以上に上り、12000人が軍に拘束されているが、軍事法廷で死刑判決を受けている人は140人もいる。行方不明者も多数いる。軍による村への攻撃や焼き討ち、爆撃などから逃れる国内避難民は77万人に達している。

ロシアはミャンマー国軍との友好関係にあり大量の武器を供給している。中国も「内政不干渉」として制裁しないどころか、武器を提供している。日本は国会決議(「ミャンマー国軍によるクーデターは、民主化への努力と期待を踏みにじるものであり、クーデターを引き起こした国軍による現体制の正御統制はまったく認められない」)はしたが、それに基づく実効性ある行動は未だしていない。ミャンマー国軍に経済的利益をもたらすODAや民間事業の本格停止には踏み切ってはいない。

ミャンマー国軍に対する批判と制裁の実施、同時に、アウンサンスーチーさんの解放やミャンマー民主化を支援する、ASEAN諸国はじめ国際社会の世論と行動を広げなくてはならない。不屈に民主化・抵抗運動をつづけるミャンマー民衆への連帯と支援を広げよう。

8888民主化運動  長期独裁政権が続くビルマ(現ミャンマー)で、1988年8月8日、全ビルマ学生連盟が「軍の独裁反対」のゼネストとデモを呼びかけた。これに対し、国軍は無差別発砲で鎮圧。学生や僧侶をはじめ数千人の市民が殺された。翌月に国軍がクーデタで権力を完全掌握した。このクーデタでビルマの学生たちが海外に避難した。「在日ビルマ市民労働組合」を組織して活動しているミンスイさんもこのとき日本に逃れ、亡命した。ビルマに帰国しNLD(国民民主連盟)を結成して民主化を闘っていたアウンサンスーチーさんは、89年に国軍に拘束され15年間軟禁された。ミャンマーの人々は、多くの学生・市民の血が流されたこの1988年「8月8日」を「民主化運動を忘れない日」として「8888運動」に取り組んでいる。

   PDFファイルで   在日ミャンマー人が「8月8日」行動 
在日ミャンマー人が「8月8日」行動   在日ミャンマー人が「8月8日」行動    在日ミャンマー人が「8月8日」行動   在日ミャンマー人が「8月8日」行動 
          ミャンマー市民へのカンパ

軍事政権に抗して民主化を求め抵抗運動を続けている市民、軍事政権の暴力・武力攻撃で住む場所を奪われた人々、軍事クーデータで帰国できなくなった留学生などに支援のカンパを!在日ミャンマーの人々からも支援を求める声がよせられています。-カンパは「在日ビルマ市民労働組合」を通じてミャンマーの人々に届けます。
 
   
  ゆうちょ銀行【郵便振替】
 口座番号:00120-7-634378
 加入者名:総がかり行動実行委員会(ソウガカリコウドウジッコウイインカイ)
 *通信欄に「ミャンマーカンパ」と明記ください

国際的圧力の強化でミャンマー国軍の民主政権破壊攻撃に終止符を! 
  中 嶋    
元ILO理事・ITUCミャンマー事務所長、CTUM顧問 
 
事実を如何につかむか(「はじめに」に代えて)
 ミャンマー国軍による「クーデター」から1年たった。2月1日に「1周年」を迎えた前後にマスメディアは一斉にミャンマーの現状を伝えた。しかしそれらはいずれもミャンマー社会およびミャンマー国民がいかなる状況に置かれているか、ならびに国際社会にいかなる影響を与えているかについての、一端を示したものに過ぎない。執拗かつ残虐な弾圧と徹底した情報管理によって、民主政権破壊攻撃に対する抗議活動の全体像を把握することはできない。その中にあって、欧米を含めたマスメディアが伝える情報を、労働組合やNPO、地球座など独自の情報把握ルートをもった個人・団体からの情報によって、「隙間を埋める」作業を積み重ね全体像に近づいていく以外に、当面方法は見つからないと思う。この小文もその作業の一環と捉えてほしい。
 ウ・タント元国連事務総長の孫息子タンミンウ―氏によるミャンマーの歴史にも詳しく触れた『ビルマ危機の本質』が出版された(21年10月)ことや、ミャンマー国内のみならず日本でも営業活動を幅広く行っている実業家ティンアクバルイン氏(在日ビルマ市民労働組合=FWUBC初代委員長)とミャンマーの現況に関して面談する機会を得たこと(21年12月)、更にミャンマー労組に組織的支援を行っているIndustriALL(あらゆる製造業をカバーする国際産業別労組)が、ミャンマーの労働運動活動家の置かれている厳しい状況について報告を行った(22年1月)ことも、「隙間を埋める作業」に新しい環境を提供した。
 
 1. 「非暴力・不服従・抵抗運動」・「Zのための運動」

(1)SNSなどを駆使しゲリラ的に運動展開

① 独創的で多彩な行動

 国軍による民主政権破壊攻撃に対して、ガンジーの「非暴力・不服従・抵抗運動」(3本指で表す)の理念をベースに「Zのための運動」(民主化の達成に向けての最後の運動だとして、SNSなどを駆使した他に例を見ない独創的で創意工夫に満ちた多彩な活動)を、ヤンゴンを中心に各地でゲリラ的に展開している。

② ミンコーナイ氏の参画による運動の拡大
 88年民主化闘争を主導したミンコーナイ氏が反国軍運動の前面にたっている。氏は「ビルマ式社会主義」を標榜したネウィン将軍による軍事独裁の息の根を止めた学生運動指導者で、NLD結成の呼びかけ人でもあった。1990年以降は「政治活動より文化活動がしたい」と政治活動にかかわらないとしていたが、「この国の未来・希望が問われている」と「クーデター」抗議活動の前面に立つことを明らかにした。それによって、反国軍の市民運動はさらに拡大・強化された。

③ 野党の運動への結集
 抗議活動の拡大の中で、NLDの政権運営を批判しNLDから脱退した国会議員グループやミンコーナイ氏とともに88民主化闘争を闘ったコーコージー氏(NLD批判政党・人民党党首)らが運動に加わり、国軍への批判勢力はさらに拡大した。

(2) 民主統一政府

① 民主統一政府樹立宣言

  「クーデター」に対する抗議運動の進展は、88民主化闘争の時と同様に官製組合の民主化促進部隊への変身を生み出している。その動向は、NLD幹部らを含めた民主統一政府の樹立宣言につながった。不当拘束中のスーチー国家顧問とウインミン大統領が留任し、拘束を逃れているドゥワラシラー副大統領も留って民主統一政府を代表する活動を進めている。市民連帯委員会代表を兼ねているウィンミャイエ氏も民主統一政府に加わっている。

② 民主統一政府の役割
 民主統一政府に実効支配力はないが、国連などでミャンマーを正当に代表する地位を占めている。NLD政権によって任命された国連大使は、国連安保理などに出席して「クーデター」の不当性を暴き民主政権破壊攻撃の即時停止を求める活動を続けている。在日本大使館も在日ミャンマー人や「クーデター」に抗議する日本人などの要請を受け止め、日本政府に具体的措置を求め活動している。

③ ロヒンギャ問題の解決に向けて
 民主統一政府は、ミャンマー社会が長年抱えていた深刻な民族問題であるロヒンギャ問題について、ロヒンギャ族をミャンマー社会を構成する民族として認めるべきだと決定した。この決定は、民主的改革推進の一環として歴史的意義を持つ。

④ 「国民を守るため」:国軍との戦闘開始宣言
 民主統一政府は「我々は国民を守る正当な政府である」として、国際社会からの承認を求めるとともに、国軍との戦闘開始を宣言した(2021年9月27日「朝日新聞」)。民主統一政府が組織した自衛のための「国民防衛隊」は、国軍資産を標的にした戦闘行為を展開している。一部に武力闘争への傾斜を懸念する声があるが、宣言への反発は少ない。

⑤ 日本の労働者への期待・要請
 民主統一政府を代表し「市民連帯委員会」の責任者を務めるウィ ンミャイエ氏とZoom Meetingで意見交換する機会を得た(2021年10月)。土曜日の深夜だったが、この時間帯に国軍の情報管理のスキが生まれるのだという。連帯カンパへの感謝と更なる取組み要請が主な内容だった。関係国の国民・労働者同士が助け合うことが、「革命」の必須の条件だと強調された。
 具体的には、ア.ミャンマーにサプライチェーンを持つ日系企業に、税金を民主統一政府に収めるように日本政府に強力に働きかけてほしい、イ.国軍系「クローニー企業」の現場で働いていた3000~4000人の建設労働者が、実質解雇され生活困難に陥り「クローニー企業」と縁を切って「市民連帯委員会」の支援を求めてきているので、これを受け止め「クローニー企業」・国軍の影響力をさらに弱めたい、というものだった。

⑥ NLD非合法化とスーチー氏拘束 
 国軍は、NLDをテロ組織として非合法化しスーチー国家最高顧問に合計すれば禁固260年となる罪を課し、実際は6年さらに3年に減刑したうえで身柄拘束する措置をとった。これに対して民主統一政府は、各州・管区の軍事組織が行った国軍との停戦合意を廃棄し「国民防衛隊」に結集し、全国的に国軍資産を標的にした戦闘行為を統一して展開している。

⑦ 労組NCを破壊・略奪
  国軍は、労組ナショナルセンター(CTUM)をテロ組織として非合法化し、破壊と略奪の限りを尽くした。傘下の産業別労組の事務所も入居している3階建てのビルを使用・再建が不可能な状態にまで破壊し、エアコンをはじめコピー機、FAX、テレビ、給湯器、机・椅子など使用もしくは売却可能なものはすべて持ち去った。これも「クーデター」1周年時に起きた。

2. 諸悪の根源=現行憲法の抜本改正に向けて

(1) 現行憲法の問題点と制定経過

① 不当極まりない「クーデター」だが、憲法を根拠とした「措置」

 不当極まりない「クーデター」だが、憲法に則った「措置」なのだ。現行憲法の国家安全保障会議についての規定は、国軍の権力維持のみを目的にした代物である。この会議の構成員は11名(国軍最高司令官・副司令官、正副大統領(3)、上院・下院の議長、外務・国防・国境・内務の各大臣)で、議会で圧倒的多数を占めている民主政権側が確保できるのは、正副大統領の内の2名・両院の議長・外務大臣の計5名で、過半数は国軍側が必ず確保する仕組みだ。国家顧問のスーチー氏はメンバーではなく、外相としてのみ参加可能だ。

(2) 国軍の同意なしに憲法改正できず

① 憲法改正に必要な4分の3以上の賛成

 現行憲法こそが諸悪の根源で、その抜本改正がミャンマー民主化の必須の課題だ。改正には出席議員の3/4分を超える賛成が必要だが、現行憲法は、国軍に1/4の議席を与えている。国軍の賛成なしに、改正は不可能ということだ。

②  州・管区も同様
ミャンマーは13州と13管区からなる連邦国家である。憲法改正に必要な条件は、中央政府のみならず州・管区の議会でも同様に存在する。

3. 民主政権破壊攻撃の背景と現状の一端

(1) 国軍を支える3つの要素

① 国連安保理で拒否権を持つロシアと中国

  武器の貸与・購入をはじめ国軍とロシアとの関係はきわめて強い。「クーデター」後に最高司令官自身がロシアを訪れ首相と面談したことは、この関係の誇示であり民主政権側への牽制だ。一方中国は、新疆ウイグルやチベットなど深刻な人権問題を抱えていて、内政不干渉を原則とすべきとの態度表明を一貫して取り続け、ミャンマー国軍の立場を実質容認している。両国が、国連安保理での拒否権を盾に、ミャンマー国軍への非難・制裁決議など国連での実効性ある「クーデター」終息に向けたとりくみを不可能にしている。

② 国軍支持のASEAN内強硬派
 タイの国連大使であったASEAN事務局長は、ASEANが反共地域同盟であるべきだとの立場に固執し、反民主主義的対応を続ける強硬派である。民主政権が樹立されたインドネシアならびにフィリピン・ブルネイ・シンガポール・マレーシア各国とは異なり国軍支持を鮮明にしている。総司令官任命の新しい外相と協議を進め、選挙のやり直しによる民主政権破壊攻撃達成に手を貸そうとしている。
 ASEAN議長国カンボジアのフンセン首相は、事務局長ら強硬派と手を組みインドネシアなどの反対の声を無視し、ASEAN外相会議を開きASEAN選挙監視団が公正な選挙であることを確認して国際社会にアピールするとして、22年8月1日に総選挙を実施することを確認している。

③ 悪しき「成功体験」・「妄想」
 国軍は、1962年のネウィン将軍による「クーデター」・「ビルマ式社会主義」体制樹立以降半世紀以上にわたり、反国軍の運動をことごとく圧殺しきってきた。その「成功体験」から、今回も大丈夫と思い込む「妄想」を抱くに至っている。

(2) 国軍支持国
 国軍創立記念式典に在ミャンマーの武官を参加させ国軍支持を表明した国は、8か国(中国、ロシア、インド、パキスタン、バングラディッシュ、タイ、ベトナム、ラオス)となっている。

(3) 国軍側の危機感
 国軍には利権喪失の危機感がある。具体例としては、① 現金で売らずに国軍系銀行のローン(利率は30%)を使うことを営業の条件にするなどして確保してきた利権構造が突き崩される危機感、②安易な補償金による「解決」は望まない農民の立場を受け入れ、土地所有権を確実にする法改正がさらに促進される危機感、がある。

(4) 「内戦」的な事態懸念にも反対の声はない

 国軍による執拗で残虐な弾圧は、「非暴力不服従抗議運動」に「無力感」を覚え武力対決を指向する傾向が強まった。「民主統一政府宣言」によって中央政府との暫定停戦合意を破棄し連携して国軍と戦う動向は現実化したが、国軍の軍事力は戦闘機の提供を含むロシア軍からの支援もあり圧倒的に優位で民主政権側の劣勢は否めない。しかし、国軍「クーデター」抗議運動の側に「統一政府宣言」に反対する声は上がっていない。

(5) 残虐な弾圧の実行行為者

① 「777特殊部隊」の妄想

 弾圧の実行行為者は、全管区・州に配置されている「777特殊部隊」である。彼らは、総司令官に絶対服従で如何なる行動も辞さず、過酷な残虐行為をすればするほど国軍と国家への忠誠を果たせると妄信している。

② 妄想からの離脱の呼びかけ

 彼らは、出身地域の他の誰よりも、高度の教育を受け、国軍内の出世と豊かな生活を保障されており、国軍と国家への強い感謝の気持ちを持っているといわれる。国軍施設内に暮らす家族が「人質」状態にあることも要因の一つと指摘されている。「この国の未来のために、国家への感謝を国軍への感謝に優先させるべき」との訴えの効果は、極めて限定されている。

4. 教育改革は必須の課題

(1)上意下達の非民主的教育制度

 民主化が進まない大きな要因に、教育制度がある。厳しい落第制度により、 生徒は絶対服従・無批判を強いられている。落第した生徒とくに女児は、親から働くことを強いられる。そして多くがヤンゴンなどの工場やタイやマレーシアなどへの「出稼ぎ労働者」となる。宗教省の資金援助による「寺子屋」で「読み・書き・そろばん」レベルの補修教育を受けただけの貧困層と富裕層との収入の格差(学歴格差に連動)は、拡大する一方だ。

(2) 改革には未来・希望がかかっている
ミャンマー語には、Democracyの訳語がない。これまでの学校教育では民主主義の基本である自由と自立が根づくことはない。民主化のためには教育改革が必須で、ミャンマーの未来・希望はそこにかかっているといえる。

(3) 民主政権下で学び取った自由
 民主政権下で教育改革の取組みはなされたが、資金不足と教育相が国軍に握られていることもあり、全国規模でみるとほとんど進展していない。しかしミャンマー国民は、NLD政権の下での生活の中から「言論の自由」の尊さを学んだ。この貴重な歴史的体験が、国軍への抗議行動の基盤になっているのだ。

5. 国軍による「正統性」の主張


(1)  「バンロン協定75周年」の記念行事で画策
 独自の情報源を確保しているNPO法人・地球座の野上氏からの情報によれば、国際社会で民主政権破壊攻撃に対する批判が強まることに対して、国軍は、アウンサン将軍が少数民族武装組織と締結した「バンロン協定75周年」の記念行事をネピドーで開き、軍政が「正統」であることを国際社会にアピールするとともに、民主政権側に実効支配力がないばかりか名目上も「正統性」がないことを印象付けようとした。少数民族武装組織側の要求はすべて受け入れ必死の工作を行ったが、多くは集まらず参加した組織の対応は冷ややかなものであった。この国軍による画策は、米国のミャンマー専門家がマンダレー管区やザガイン管区など中部戦線で民主派が勝てば国軍有利と言われる形成が変わる可能性がると分析していることを否定し、国軍が圧倒的に有利であることを誇示しようとすることを狙ったものだ。しかしながら平原地帯で民主派が勝利することは人員・兵器などあらゆる面で難しく、どこかの時点で政治交渉が始まる情勢ある、という。

(2) コーコージー氏の懸念とカチン州への移住
 88民主化運動を推進した人々の一部に民族主義的傾向があること、グローバルな普遍的価値観を基盤とするZジェネレーションとの路線的に大きな違いがあることは指摘されていたが、武力対決が全国的に鮮明になる中で、直接的・具体的な対決の在り方をめぐり対応が決定的に異なってきた。最近の朝日新聞(22年2月)によれば、コーコージー氏は、国内の「革命」を進めるためには、前項で指摘された「政治交渉」が必要となっていると判断し、国軍側に考えを伝え、出身地のカレン州に身を移した。国軍側は、その状況を受け入れているが、「革命」に向けた運動を共有するわけはなく、反軍政運動の先頭に立っているミンコーナイ氏も同調していないし、Zジェネレーションも容認していない。

6. 日本とのかかわり

(1) 中枢幹部の軍事訓練 は今も

 ビルマ国軍創設時に中枢幹部(アウンサン将軍+30名)の軍事訓練が日本軍によってなされたことからミャンマー国軍の日本との関係は深く、現在も国軍幹部が日本の防衛省で訓練を受けている。

(2) 日本の「経済支援」は国軍への資金援助
 「朝日新聞」の記事(「日本の開発 国軍の資金に?」、「国内外の人権NGOが指摘」、21年3月)のように、日本の経済支援が国軍支配の資金源になっているとの批判が国際人権NPOなどによってなされている。

(3) 「ミャンマーはワタナベに」: G7会議での麻生発言
 G7財務相会議がロンドンで開かれた際に、麻生は、「クーデター」で権力を握ったミャンマーの情勢が話題になった際、「日本には国軍最高司令官ミンアウンフライと直に話ができるワタナベという男がいる。ミャンマー政策は日本に任せておけばよい」と公言した(21年8月23日「朝日新聞」)。自らが関与する利権構造の中で10年以上の親交を結んできたワタナベ・ミンアウンフライ最高司令官の関係を、国家の存立にかかわる危機の克服策の中枢に据える麻生の政治感覚に絶望すら覚える。これを正す具体的・現実的取り組みの推進が我々の課題だ。

希望の光も(『むすび』に代えて)

(1) 無人・沈黙の抗議デモ

 何ら問題なく市民生活が営まれているという国軍側のテレビ映像を伴った報道に対して、民主政権側は只1人の人もいないヤンゴン最大のメインストリートを映し出す映像を流した。この無人・沈黙の抗議デモは、市民の自由意思による自発的・自主的な抗議運動に他ならず、民主主義の基盤をなすものだ。

(2) 司法にも民主主義芽生えの声

  司法も完全に支配下に置いていた国軍だが、その支配の一端が崩れた。日系の飲料会社が国軍経営企業との提携を遮断する訴訟を起こしたが、マンダレー管区地裁は日系飲料会社の訴えを退けた。これを不服とする日系飲料会社は連邦裁判所(最高裁)上告したところ、連邦判所は管区地裁の判決を覆し国軍側の権益継続を認めない判決が下した。司法の場でも反国軍の動きが出たのは一条の「希望の光」と言える。


【付論】ミャンマーの経験からの提言

1.独立した監視機構(日本型オンブズマン制度)の創設を

(1) 市民の声が直接届く制度が必要

 ミャンマーの民主化が進展しない主要な要因の一つに、市民の声が反映する制度、換言すれば権力の暴走をチェックし押しとどめる役割を負う組織が全く存在しないことがある。この状況は、我国の安倍・菅政権それに引き続いた岸田政権下の権力と国民の関係性を考えるとき、改革すべき課題は明確であると思う。
 それは、権利主体としての国民の尊厳と人間性尊重の立場から、権力から独立した監視機構(いわば日本型オンブズマン)を、できるだけ多くの地域・生活圏で樹立することである。

(2)  監視機構の構成と活動
 監視機構には、法曹界代表、NPO代表、労働者や地域の生活者代表、使用者代表の参加を保障する。地域事情に沿った改革につながる生活圏単位の「地産地消」を基本に、地域住民の運動と結びつく活動を展開する。

(3) 公正さの担保
 行政の透明性と公平性を確保するため、例えば、骨太方針策定への竹中平蔵氏のような人物の参画を禁止する。自らの営業活動を方針確定に反映させることを目的にする直接的利害関係者であり、公正さの確保に真っ向から反するが故である。

2. 国家100年の計=教育制度の大改革を

(1) 9月入学・新学期制度に

 ミャンマーの教育制度が深刻な問題を抱えていることは先にみたとおり であるが、そのミャンマーの方が我が国よりも進んでいる面がある。9月入学・新学期制度の採用である。
 世界の大多数の国が9月入学・新学期制度をとっている。グローバル化がますます進展する状況の中で、4月入学・新学期制度にこだわる理由は全くない。就労時期との関連が言われるが、企業活動はすでにグローバル化しており、今後ますます進展していくことは間違いない。この面でも改革が必要なのであって、9月入学・新学期制度の採用に反対する理由にならない。要するに政治的決断の問題だ。

(2) フィンランドの例を参考に大改革を!

① 国際競争力ランキングで第1位

「ダボス会議」で有名な世界経済フォーラムは、基礎経済、行政の在り方、技術革新への取り組みなど、様々な分野から分析して、持続的な成長を可能にする中長期的な競争力を指標化している。この指標に基づく国際競争力ランキングで第1位がフィンランドである。
 その要因の第1は高度な教育で、次いで研究開発への大胆な投資を含む国家財政の管理、クリーンで透明性が高い政治となっている。

② 多様な選択が可能な生涯教育を基礎にした高度な教育

ア. 少人数のクラスと担任の教師は2人

1クラス17人から24人の生徒に、事務的な仕事は事務職員がすべて行うので、教えることに専念する教師が2人で担任する。ベテランと新人とでペアを組み2人の目で生徒の状況を見て、実態に合った教育する。17人のクラスでは17通りの教え方を持っていて、いわゆる「落ちこぼれ」は1人もいないという。

イ. 2人とも大学院卒
 担任は2人とも大学院卒で、ほぼ全員が修士。博士も少なくない。その高い専門性を基礎とした教育に対する国民の信頼は高いという。生涯教育の考え方が社会的に定着していて、40歳代以降で大学進学する人も決して珍しくない。企業で働くなどの社会経験をした人が、大学院に行き専門性をつけ教師となるのだから、生徒を見る目は確かなものとなろう。その人らが2人で見るのだから生徒たちの実態はより確かに見えるに違いない。

ウ. 大卒労働者の1.5倍の賃金
 教師は圧倒的に女性が多いがその平均収入は、高学歴と専門性のゆえに男性を含めた大卒労働者の平均収入の1.5倍である。日本の場合、数学、理科、英語など特定科目の教員が、定数外とされ実質請負労働者とされて、多くの都府県で最賃水準の賃金で生活維持のため数校掛け持ちをせざるを得ない状況に落とし込まれている。こうした状況で教育への信頼など生まれるはずもない。

エ. 国家予算の教育への投資は世界1、学力評価はOECD加盟国で1
 それに引き換え日本はOECD加盟国でメキシコに次ぎ下から2番目で、この面の改革は一向になされていない。「国家100年の計」どころか明日も見えない状況にある。学力評価もG7中最下位のありながら、改革の目途は全く立っていない。
   (ナカジマ シゲル)
  
PDFファイルで  国際的圧力の強化でミャンマー国軍の民主政権破壊攻撃に終止符を!
上澤美男 憲法を生かす会関東連絡会               問合せ先 E-Mail: info@ikasukai.sub.jp